ポッドキャスト | シーズン 2 | エピソード 4

観光地域づくり法人 : 旅行の実現

「観光地域づくり法人の仕事は、地域社会の販売、マーケティング、プロモーション、宣伝が相乗効果を発揮するように統合し、その活動を波及させることです」

アンドレアス ヴァイセンボルン氏

デスティネーションズ インターナショナル、リサーチおよびアドボカシー担当バイスプレジデント


What to listen for


ポッドキャストのアプリを開いて、「旅行ビジネスをサポート」のエピソード 4 をお聴きください。スペシャルゲストとしてデスティネーションズ インターナショナルのリサーチおよびアドボカシー担当バイスプレジデントであるアンドレアス ヴァイセンボルン氏を迎えています。

 

このエピソードでは、メイン MC のブランドン エアハルトがゲスト MC のアンディ ファン デル フェルツとともに、ヴァイセンボルン氏と興味深いトークを繰り広げます。3 人は DMO (観光地域づくり法人) の仕事を掘り下げ、DMO が旅行業界で果たすさまざまな役割について意見を交わしています。

 

観光のプロモーションから目的地のマーケティングまで、DMO がどのように地域社会を活性化し、サステナブルな観光をサポートし、地元の観光地を強化するのかをお聴きください。


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[00:00:04] ブランドン エアハルト旅行サービス提供会社は旅行体験を支える存在です。「旅行ビジネスをサポート」の新シーズンでは、ビジネスを牽引する皆様が旅行体験を進化させ、高め続けられるよう、業界トレンド、注目トピック、実用的なアドバイスを紹介していきます。皆さん、こんにちは。ポッドキャスト「旅行ビジネスをサポート」をお聴きいただきありがとうございます。今週は、地域レベルで旅行の実現に取り組んでいる組織、いわゆる観光地域づくり法人の裏側に迫ります。観光スポットのマーケティングから旅行サービス提供会社のサポートまで、観光地域づくり法人の仕事は膨大です。昨年訪問した都市を思い出してください。そこには、皆さんが安心して街を訪れ、適切な宿泊施設を見つけられるよう、そして地域社会が観光からプラスの効果を得られるよう、尽力している人たちがいます。本日は、観光地域づくり法人の仕事に詳しい、Expedia Group Media Solutions のビジネス デベロップメント担当グローバル シニア ディレクター、アンディ ファン デル フェルツさんと一緒に番組を進めていきます。アンディさん、ようこそ。簡単に経歴を交えて自己紹介していただけますか。

 

[00:01:15] アンディ ファン デル フェルツ この番組に招いていただきありがとうございます。紹介いただいたように、さまざまな地域の DMO と数十年仕事をしています。ここ 7 年は DMO と協力している Expedia Group Media Solutions で、DMO が進化する様子を見てきました。ですから、今日アンドレアスさんに話を伺い、観光地域づくり法人の未来、特に目的地の管理組織の未来について新たな発見ができることを楽しみにしています。

 

[00:01:39] ブランドン エアハルト 本日のゲストは、日々、旅行の目的地のアドボカシー、つまり支援に力を注いでいる方です。その思いをポッドキャストでも語っています。目的地の支援に全力で取り組んでいらっしゃる方、アンドレアス ヴァイセンボルンさんです。アンドレアスさんは、地域社会にプラスの影響をもたらす観光地域づくり法人を整備する国際協会、デスティネーションズ インターナショナルのリサーチおよびアドボカシー担当シニアディレクターです。これまでの道のりをお聞きしていきます。アンドレアスさんは、ビジット ボルチモアのインターンシップでこの世界に入り、観光地域づくり法人と仕事として深く関わり、輝かしいキャリアを築いてこられました。自身のポッドキャスト「Architects of Destination Advocacy (目的地支援の設計者)」では、旅行業界で働く人に向けて、業界の最大の問題への取り組みを中心に話をされています。前置きはこのくらいにして、ご登場いただきましょう。本日のゲスト、アンドレアス ヴァイセンボルンさんです。最初に私から質問です。たまたまインターンシップに応募したことでホスピタリティ業界に入ったという経歴を拝見しました。旅行業界に入った経緯と、ビジット ボルチモアでどのようにキャリアをスタートし、続けてきたのかを簡単に話してもらえますか。

 

[00:02:49] アンドレアス ヴァイセンボルン はい。まず本日はお招きいただきありがとうございます。旅行業界で働き始めた経緯は、多くの人と同じです。気付いたら旅行観光業界に入っていました。当時、まだ若いミレニアル世代でした。2005 年か 2006 年頃のことです。大学は自分に合わないと気付いたのです。できるだけ早く社会に出たいと考えていたところ、大学のキャリアセンターが地域のインターンシップを紹介しているのを知りました。その地域がボルチモアだったのです。インターンシップで大学の単位が取れるため、可能な限り応募し始めました。大学の時間が減り、仕事する時間が増え、自分の時間を自分のことに使えるというわけです。当時を振り返ると、紙のメモが貼られた掲示板のようなものでしたが、その中に、地域の DMO があったのです。当時の名前はボルチモア エリア コンベンション オブ ビジネス アソシエーション、現在のビジット ボルチモアです。他にもテクノロジー企業など、8 ~ 10 件、応募したと思います。そしてビジット ボルチモアから連絡がありました。その先はご存じのとおりです。

 

[00:03:48] ブランドン エアハルト 不思議なものですね。多くの人が気付いたら旅行業界にいたというのは、そのとおりだと思います。ではアンディさん、あなたが旅行業界に進んだ経緯を教えてください。どのように旅行業界に入ったのですか ?

 

[00:03:59] アンディ ファン デル フェルツ アンドレアスさんの話のとおりです。そういうことです。

 

[00:04:02] ブランドン エアハルト 一通り話しましょうよ。

 

[00:04:04] アンディ ファン デル フェルツ 私もアンドレアスさんと同じです。夏のアルバイトを探していました。インターンシップでさえありません。名前の知られているスコットランド観光局 (STB) に応募し、夏に働く機会を得ました。それが 6 年に延び、その後オランダ政府観光局に勤めました。DMO で働いて 22 年になります。夏のアルバイトにしては悪くありません。この数年間の経験がエクスペディアへとつながったわけです。マーケティングと現代語を勉強していたとき、自分でもどうしてそれを選んだのかわかりませんが、私の論文は、オランダ観光業界における英国のマーケティングの有効性でした。それから 6 年後にオランダの業界で働くことになったのですから、何というか、運命だったのでしょう。アンドレアスさん、どう思いますか ?

 

[00:04:41] アンドレアス ヴァイセンボルン それも観光業界ならではの話の 1 つです。気付かぬうちにこの世界に入り、決してやめられないのです。つまり、私は生粋の観光業界の人間ということです。お二人も同じはずです。いい仲間ですね。

 

[00:04:55] ブランドン エアハルト 私はユナイテッド航空でこの業界に入り、その後エクスペディアです。アンディさんは決してやめない夏の仕事を得たようですね。この 3 人が集まるのは素晴らしいことです。ここに私たちが集まった理由に踏み込みましょう。観光地域づくり法人について話し合いたいと思っています。外部の視点から見ると、観光地域づくり法人の概念はほとんどの人が理解しています。しかし、実際に何かという完全なニュアンスまでは理解されていないようです。そこで、観光地域づくり法人の構造についてお聞きしたいと思います。明らかにその構造は州で異なります。それと同時に明らかにグローバルな構造です。わかりやすく説明してもらえますか ? DMO とは何ですか ? ビジターズビューローとは何ですか ? 観光局とは何ですか ? どこで交わり、どのように異なりますか ?

 

[00:05:40] アンドレアス ヴァイセンボルン はい。明らかに誘導的な質問ですね。私たちは観光地域づくり法人と呼んでいますが、DMO、観光局、CVB つまりコンベンション & ビジターズビューローなどと呼ばれることもあります。突き詰めると、地域社会のブランドとそのプロモーションに責任を持ち、管理し、注目を集めるために世界レベルで世話をする組織です。米国には昔から 501(c)(6) と呼ばれる地域社会の非営利団体がありますが、公園局がその役割を担うこともあります。要するに、ブランドとして地域を代表する組織のことで、その仕事は注目を集めることです。その注目で副産物が得られます。観光もその 1 つです。他にも経済の発展、地域社会の活性などの副産物が得られます。それこそが、観光地域づくり法人の中核と呼べるものです。そこにさまざまな仕事を追加できます。特にその職務を担う人だけでなく、グループビジネスの販売を担当する人にも関係します。自分の地域社会に大きな会議センターがあったり、ホテルが栄えていたりするとしましょう。すると、いわゆる会議やビジネスイベントなどを売り込む仕事が派生します。私たちは今も、世界に向けて地域社会のブランドを語り、ブランドを世界の舞台に押し上げ、人々の注目を集めるようにしています。

 

[00:06:53] ブランドン エアハルト シンプルですね。街中で誰かに「旅行ができるよう支えてくれるのはどの組織か」と問えば、だいたい旅行のサプライヤー、航空会社、ホテル、レンタカー会社という答えが返ってくるでしょう。実際には DMO が多くの役割を果たします。観光地域づくり法人は、多くのことができ、旅行の推進と実現に貢献します。では、DMO が最も貢献できる旅行の推進方法を考えてみましょう。

 

[00:07:15] アンドレアス ヴァイセンボルン その点について、私はよく庭仕事に例えます。土地を買い戻してすぐに、何もしていないのに草花が育つことに気付きました。しかし難点なのは、育てるつもりのないものが育つことです。副産物としての観光はこれとよく似ています。観光地域づくり法人の仕事は、地域社会の販売、マーケティング、プロモーション、宣伝が相乗効果を発揮するように統合し、その活動をさまざまなサプライヤーや他のチャンネルに波及させることです。一般的に、DMO が所有する最も優れた資産の 1 つがウェブサイトです。ブランドです。ある地域に旅行しようと思ったら、その地域のブランドをチェックします。この場合、それはウェブサイトです。今の時代、あらゆる媒体で確認できます。たとえば、ポッドキャスト、動画、デジタル媒体などです。これらは土台になります。先ほどの言葉を使えば、ブランドの世話をするものです。人々の注目を引くようにブランドをアピールするものです。注目を集めると、そこから副産物の観光が生まれるのです。

 

[00:08:14] アンディ ファン デル フェルツ アンドレアス そういえば、2005 年か 2006 年に始まったことだと思いますが、その時期、世界中の DMO に多くの変化が起きました。2006 年と思いますが、当時私たちは DMO が世話をする目的地の管理の話はしていなかったと思います。まだ目的地の管理組織やプロモーション マーケティング組織のことが多かったので、押して、押して、押しまくりました。2000 年から 2006 年頃の移行期間、そして現在までに、世話をする仕事について触れ、管理が実際にプロモーションに取って代わったのです。その考えが事実と結び付きました。つまり、今もウェブサイトは重要と考えられています。その意見は正しいと思います。今、コンテンツの厳選が行われています。世界が細分化され、細分化したコンテンツの使用が増えるにつれて、その傾向はますます高まるでしょう。そのあたりを考えると、そこで進化の次の段階が見えてきます。ウェブサイトを持つ必要性から、より幅広いプラットフォームでコンテンツを作る必要性への進化です。

 

[00:09:11] アンドレアス ヴァイセンボルン 確かに。ここで少し哲学を考えてみましょう。清浄水と健康の関係は理解していますよね。教育を受けるには教師が必要なこと、職場に行くには道路や橋が必要なことも理解しているでしょう。これは共有財、英国ではクラウングッズ、公共財と呼ばれます。自分たちの利益のために社会に必要なもののこと、本質的に地域社会で価値を共有もののことです。つまり、人間らしくあるための条件の 1 つとして、自分たちを良くするために投資が必要とわかっているもののことです。本当に変わったと思うのは、他の共有財と同じように、地域社会が理解し始めたことです。清浄水に投資しなければ、何が起こるかわかりますよね。そうですね、米国には多くの事例があります。それと同じように、インフラコストを下げるとどうなるでしょうか。同じことがブランドにも言えます。ウェブサイト、マーケティング、管理者、スタッフの配置など、ブランドに投資しなければ、取り残されます。これがパンデミック以降、実際に変わってきたことです。世界で最も流通価値が高いのは、ガスでも、金でも、石油でもありません。あればどれでも受け取りますけどね。世界一は、人材の獲得です。今は人材獲得で争っているような状態です。パンデミックで起きたことを考えてください。その前からあったことですが、職場の近くに住む必要がなくなり、その傾向が加速しました。観光地域づくり法人や地域社会の視点から見ると、人材という世界最高の価値を求めて世界の舞台で競うことはもうできません。地域社会が認識し始めたことは、注目が必要ということです。どうすればその注目を集められるでしょう ? まず、ブランドを持つことです。ならばブランドに投資しましょう。ブランドに投資する方法として、地域社会を代表する観光地域づくり法人が必要です。それはまさに根本的な変革だと思います。同時多発テロ事件以降、この流れだったのでしょう。何事についても言えますが、パンデミックはこれまで私たちが見てきた人類史とは違うタイムラインで物事を加速させました。この 2 年半、3 年の間に。次の進化は、進化の当然の基盤は、やはり観光地域づくり法人です。DMO が共有財の集まる中に位置し、地域社会が価値を共有するのです。

 

[00:11:18] アンディ ファン デル フェルツ 何年もこれほど明快な答えを聞いたことはありません。ありがとうございました。

 

[00:11:24] ブランドン エアハルト 素晴らしいお話でした。今の質問から少し方向を変えながら、同様の問題を考えていきましょう。次の質問は、オーバーツーリズムについてです。これは、5、6 年前にスキフトで作られた言葉です。オーバーツーリズムについて独自の見解をお持ちでしょう。オーバーツーリズムに責任を持つのは誰だと思いますか ? 観光地域づくり法人がサステナビリティをサポートするためにできることは何だと思いますか ?

[00:11:50] アンドレアス ヴァイセンボルン そうですね。興味深いことに、スキフトは先日、「オーバーツーリズム」という言葉を修正することを発表しました。

 

[00:11:55] ブランドン エアハルト その言葉を修正しているのですよね。確かに、そうでした。

 

[00:11:57] アンドレアス ヴァイセンボルン 私たちはオーバーツーリズムというものを信じていません。それを言うなら、目的地の管理の失敗です。先ほどと同じように庭仕事に例えてみましょう。いいですか ? 目の前にある土地を見て悟ったのと同じです。何もしていないのに多くの草花が庭で育っているようなものです。ただし、育てるつもりのない雑草やタンポポ、アレルギー物質を含む植物などが多く育ったということです。私の役割は土地を管理することです。そうですよね ? その一環として土地の世話をします。自分の区画にあるものや自分のリソースであれば、世話をすることができます。オーバーツーリズムは同じように考えられます問題の 1 つはこの言葉自体にあります。否応なしに観光客を悪者にすると思いませんか ? 有無を言わさず名誉を傷つけるやり方です。これは皆さんが望むことではありません。世界中の多くの地域社会にとって観光は有望な投資というだけでなく、住民に税金を課すことなく地域社会が投資できる貴重な手段の 1 つです。増税は政治的自殺行為ですからね。「今年は予算が厳しいので税金を引き上げましょう」と話す政治家はいないでしょう。ありえません。私たちはこの言葉に目を向けるべきときを考え、管理すべきときを理解します。これは、私たちが積極的な役割を担うということです。私たちは実際にメッセージの方向性を示し、支援し、管理し、世話をし、導くことができるという意味です。最善の管理が行われていないために観光が悪く思われているのなら、その状況に介入し、その土地の世話をするのは観光地域づくり法人の役目です。そうすれば、リソースを管理できるだけでなく、有望な観光と観光客で地域社会が活性化されることを地域の人に理解してもらえます。パンデミックが教えてくれたのは、観光がなくなったらどうなるかということです。たとえば、その投資がなくなって、多くの都市が財政問題に陥っています。オーバーツーリズムと言うだけで、観光客がいなくなったらどうなるかを理解しないようではいけません。

 

[00:13:58] アンディ ファン デル フェルツ アンドレアスさん、私は 2 つの DMO のために働いています。1 つは完全な政府出資法人で、もう 1 つは官民連携組織です。異なるモデルです。米国には、資金提供を受ける DMO や宿泊税で助成を得る CVB があります。そのバランスはどう取るのでしょうか ? 地域社会は、人々が集まる活気ある地域である必要があります。ですよね ? つまり、訪問者のいる地域社会はその適切なバランスを見つける必要があります。CVB や DMO はどのように宿泊税のバランスを管理しますか ? 昨今の流れでは、宿泊施設は追加できるだけ客室インフラを追加し続けています。アムステルダムでさえ、今なお郊外に宿泊施設を建設しています。実際に宿泊税が地域の CVB や DMO の資金になっている場合、どのようにバランスを取りますか ?

 

[00:14:46] アンドレアス ヴァイセンボルン 難しい問題ですね。まだ決定的ではないと思いますが、ついに疑問を持つ人たちが現れ始めました。もう 1 つ一緒になくしたいのが「宿泊人数」という言葉です。これにこだわるなら、企業助成政策に組み込まれるということです。私たちはそうではありません。観光地域づくり法人は概して非営利組織であり、利益以上の目的があることを自覚する必要があります。これに関する私たちの重要な哲学の 1 つが、価値を置くものがあれば資金を投じるという考え方です。最終的に観光地域づくり法人が何をするのかが見えてきたことは明白だと思います。私たちは通常、アンユージュアル サスペクトと呼びますが、私たちが行う仕事でメリットを得る人たちがいます。確かに、多くの観光地域づくり法人の主要な資金源は、ある意味訪問者の税金です。しかし、その点を考えるなら、成功しているブランドからメリットを得る人は他にどのくらいいるでしょうか ? 1 つ、ここに人材獲得の要素があります。多くの地域社会が、高度な教育を受けた、高度なスキル持つ労働者を必要としています。問題は、どうすればここで暮らしたい、ここにいたいという関心を集められるかということです。そうした組織は交渉の席につき、観光地域づくり法人を支援し出資すべきです。なぜなら、地域社会のブランドが成功すればその組織もメリットを得るからです。良い例が、3 年半ほど前のアマゾンによる HQ2 への入札の呼びかけです。誘致を目指した自治体がこぞって異常な税率や優遇措置を提案しました。しかし、最終的にアマゾンは決断します。ええ、私たちにはブランド力の高い地域社会が必要です。高度な教育を受けている人がここで働きたいと思うだけではなく、ここで生活したいと思うような場所です。アマゾンのような企業がなぜそうしたのかはわかりません。こうなるものだと言っているのではありません。しかし、アマゾンなどの民間の組織がその組織の資金援助のために交渉の席につくべきではありません。資金は必要な要素の 1 つです。観光産業改善地区でも明白です。そうした地区は、ホテル関係者から資金を受けられます。だからといって、別の地区から資金を受けられないということではありません。芸術、文化、ワイン、カナビス、地ビール醸造所など、その地域社会が価値を置くものなら何でも、資金につながるべきです。生きている間に何かこう、もっと多くのことを見ていきたいと思いますね。もう 1 つ、私は率直に言って、政府は観光旅客税なしで一般財源から資金提供する役割を担うべきだと考えています。そうしても誰も驚きません。政府は清浄水やインフラに資金を投じているのですから。ブランドを必要とし、世界の舞台を望み、経済発展に投資したいなら、目的地のプロモーションにも投資してはどうでしょう ? それを形にするには、まだかなり進まないといけません。特に米国では、政府ではなくホテル関係者によって推進されています。世界の他の地域にように政府に投資してもらうのではなく、別の政治的手段があり、一般財源が利用されています。しかし、変わり始めました。人々が理解し始めました。価値を置くものに、資金を提供すべきなのです。

[00:17:29] ブランドン エアハルト 3 部構成にして、1 つずつ質問します。まず、ここまでの話を受けて私が個人的に聞きたいことですが、公的資金やパートナーシップなど、複数の資金モデルがあるようですね。資金モデルに基づく DMO の運営の違いを教えてください。実質的な違いはありますか ? それとも、こうした組織の運営方法は似ていて資金調達だけが違うのですか ?

 

[00:17:55] アンドレアス ヴァイセンボルン いい質問ですね。それは地域によって異なります。ですから、会員層が最大の北米を例に話をしましょう。公的資金についてです。概して、観光地域づくり法人はホテル宿泊税の一部を受け取ります。宿泊税は政府に向かい、徴収され、それが公的資金になります。どこかに宿泊すれば、一定料金か料率の支払いが生じます。短期レンタルでも従来のホテルでもね。そのお金は収集され、政府に流れます。政府は通常、各地の観光地域づくり法人が受け取る割合を契約によって決めています。その割合はさまざまです。100 受け取るところもあれば、50 から 60 のところもあり、決まっていません。つまり、観光地域づくり法人の運営がうまくいくと、その観光への投資は通常増えます。そして観光地域づくり法人が得る資金も増えるのです。これには政府が介入します。もう 1 つの例は観光産業改善地区です。この場合、地区自体のために資金が提供されます。よくあるのは、ホテル関係者が追加で一定料金や料率を課し、それが観光地域づくり法人に直接提供されることです。この場合、政府を介しません。民間の投資にはいくつか方法があります。最も一般的なのは、会員やパートナーシップ モデルです。レストランツアーやアトラクションのサプライヤー側が投資された金額の一部を観光地域づくり法人に払い、レストランなどの資産をウェブサイト、クイックガイド、ブランディング資料などに掲載してもらいます。他のところでは、政府の予算の一部が使われます。政治家の意向で金額の割合が上がるか下がるかが決まります。この金額を上げるために宿泊施設の販売室数を常に捌かねばならないといった調整に追われることはありません。すべてはただ、政治家が観光をどう思うかにかかっています。公的資金の一般的な例が、特に米国、北米で見られます。

 

[00:19:54] ブランドン エアハルト どこを目指しているかが DMO の基盤であり、資金モデルが行動をどう変えるかが簡単にわかるのですね。宿泊人数の話に戻りますが、インセンティブがあれば、宿泊人数を考えます。幅広い旅行像から目をそらす方が簡単ですが、実際、目的地をどのようにしたいとお考えでしょうか。

 

[00:20:12] アンドレアス ヴァイセンボルン それがユージュアル サスペクトに関連しています。観光が栄えると、ホテル関係者やサプライヤーは自然と資金支援者になります。ホテル関係者らは資金を提供するために交渉の席につくべきです。先ほど言いたかったのは、ブランドの成功でメリットを得ている仲間は他に大勢いるということです。私たちはそうした仲間を呼び込み、資金を検討する必要があります。観光地域づくり法人がその仕事をうまく行い、競い、参加し、投資すれば、地域社会全体が発展するからです。

 

[00:20:42] ブランドン エアハルト 資金モデルの違いを問わず、現在 DMO 全体で共通の課題はありますか ?

 

[00:20:49] アンドレアス ヴァイセンボルン はい。関連性が一番の課題でしょう。先ほど質問されましたよね。観光地域づくり法人とは何かをどう説明するか、どうすればそれがわかるか。それは結局のところ、関連性とエンゲージメントです。常にこの 2 つです。残念ながらパンデミックが起き、人々はさまざまな形でこう気付きました。「今年は観光客がいない。再スタートを切るには何をすべきか ? ああ、観光地域づくり法人がある。そこに投資すべきだろう」行き着くところは常に関連性とエンゲージメントです。私たちの仕事を根本的に理解してもらえば、人々はそれに価値を感じ、うまくいけば資金を提供してくれるでしょう。また私たちに積極的に関わり、観光地域づくり法人の 1 番のお客様となるのはその地域社会の住民であることも理解してくれるでしょう。私たちの役割は地域社会を活性化することです。メッセージを発信し、聞いてもらい、理解してもらうことです。まだやるべきことはたくさんあります。地域社会で共有する価値の哲学についてですが、そうですね、私たちも昔は子供でした。健康のために水を飲みます。水は生命を維持する源ですから。私たちは安全を理解しています。火事を消すには消防団が必要です。目的地のプロモーションがそれと同じように重要な理由を、観光地域づくり法人は明確に伝える必要があり、それに関してやるべきことはまだたくさんあります。関連性とエンゲージメントです。これに終わりはありません。私たちが話しているのは支援についてです。観光地域づくり法人の新たなリーダーは皆、支援の一端を担い、地域社会と関連性について明確に伝える必要があります。それに終わりはありません。失った時間を取り戻すために多くのことをせねばなりません。

 

[00:22:24] ブランドン エアハルト なるほど。3 部構成の質問を終わらせましょう。世界や北米に目を向けると、どの DMO が現在うまくいっていますか ?

 

[00:22:33] アンドレアス ヴァイセンボルン あまり知られていない仕事をしている素晴らしい観光地域づくり法人はたくさんあります。莫大な予算のある観光地域づくり法人が偉大な仕事をしているのは簡単に説明できます。実際、そういう法人はたくさんあります。しかし私は常に、平均的な運営予算、だいたい 300 万以下の莫大とは言えない予算の組織を挙げるようにしています。そうした小規模の観光地域づくり法人が多くあります。その 1 つがシャンペーン アーバナ、行ったことない方のために補足するとイリノイ州です。10 人かそこらの少人数で運営している組織ですが、地域社会の一員として、ソリューションとして、その一環として、あらゆる意思決定に関与しています。その姿こそ、地域社会による価値の共有だと思います。そこにいる人はソリューションの一部と見なされ、その要素となる仕事を支援しています。パンデミックによって、観光地域づくり法人は前例のない多くの特殊な状況に直面しましたが、幸運にも私たちには基盤がありました。たとえば、ノーフォーク州は動画「ビジット ノーフォーク」を配信し、パンデミックが終息するまで待てないことを、つまり観光業と観光客は欠かせない要素であることを訴えました。現在、世界中の多くの地域社会が、パンデミックに機会を奪い去られる前に行動を起こしています。好きな組織を 1 つ選ぶのは難しいのですね。特に、そうした組織は、皆さんの想像よりはるかに少ない予算で活動しているわけです。

 

[00:23:57] ブランドン エアハルト 想像と違うところを選ばれましたね。ノーフォークにバージニア、シャンペーンならここシカゴから車で行けます。非常に興味深いです。

 

[00:24:10] アンディ ファン デル フェルツ アンドレアスさん、関連性とエンゲージメントの話に同意します。もう 1 つ、それらを結び付けるものは、必ずしも優先度に関係しているのではありません。サステナビリティの話です。旅行の世界に生きる人は皆、サステナビリティについて意見を持ち、自分の考えを伝える必要があります。これは幅の広い問題で、その下には生態学、環境、産業、雇用など、多くのテーマがあります。非常に幅広い問題ですが、それこそがすべての DMO を結び付けていると思います。1 つの戦略に縛られないということです。名指しはしませんが、平均客室単価の管理に突き動かされている DMO もあります。サステナビリティは気にしていないようです。今後の発展を見据えて、新しい表現を作りたい思います。非現実的とは思いませんが、観光の割り当てです。世界中で漁獲割り当てがありますよね。その量までしか獲ってはいけないということでしょう ? 私たちには縁遠い話とは思いません。もちろん管理は信じられないほど大変です。それでも、世界の観光の割り当てについて皆さんの意見を聞きたいと思います。管理できるようになります。なぜなら観光は 5.8% で成長を続けています。その成長は GDP を上回ります。世界の GDP はわずか 2.8% ですから。到達できます。観光の割り当てという思い切った案についてどう思いますか ?

 

[00:25:44] アンドレアス ヴァイセンボルン おもしろい概念ですね。おっしゃるとおりです。可能性がないとは思いませんから。GDP という言葉についてですが、GDP は第二次世界大戦後に商取引の情報を共有する手段として作られました。特に巨大な資本主義社会の米国には重要です。私たちは、ひたすら成長を追い求めるとどうなるかを見てきました。GDP を追い、観光が成長したことがその成果です。しかし、こうした資産の一部、特に環境や自然は有限です。物理的な環境制限があります。環境や自然といった資産は、大量に利用できる従来の「商品」とは見なされません。要するに、そういう状況なら、観光地域づくり法人にはまだそれを管理する役割があるということです。マナーという言葉を使いたいと思います。今後ますます目にすることになるでしょう。観光マナーです。いくつか良い例があります。遠い昔のようですが、私たちにとって最大の問題は電動キックボードでした。通勤者は電動キックボードなどに困っていたのです。その問題の好例として私がよく話すのは、オレゴン州ポートランドの事例です。ポートランドはウェブサイトにわかりやすいマナーシートを掲載しました。この地域に旅行して電動キックボードを使用する場合は、こちらでそのマナーをご確認ください、と。そこから、観光の割り当てがマナーとペアであるのが強く感じられます。こちらの時間に当地域を訪問する場合、地域社会に溶け込んで楽しむための適切なマナーはこちらですと示すのです。これはペアにする必要があります。割り当て単体ではなく、また PC のような二者択一でもなく、マナーのようなものとペアにするのです。繰り返しますが、観光地域づくり法人はそれを明確に伝える役割を担います。そして、なぜ割り当てがあるのか、なぜこのマナー要素があるのか、なぜその責任を負うのかを理解します。それもこの問題の 1 つと言えます。

 

[00:27:36] アンディ ファン デル フェルツ そうですね。アイスランドがよく似たことを実施しています。訪問者に対して、自分がいる環境への接し方について大人の決断、責任ある決断をするよう促しています。そこは、まさにそういう場所です。残りの観光業では、一般的に、大雑把な言い訳に使う GDP だけでなく、旅行を続ける人の世界の総人数を見てもわかるように、ミドルクラスで新たな経済がかなり生まれています。もう 1 つ、私が現在注視しているのは、世界中の成熟した DMO もそうだと思いますが、価値の高い観光客を追い求めることです。つまり、より少ない人数で、より長く滞在し、より多くのお金を使う人たちです。価値の高い観光客と認識される人たちを巡って皆が争うことになるでしょう。価値の低い観光客や中程度の価値の観光客を誰が望むと思いますか ?

 

[00:28:33] アンドレアス ヴァイセンボルン 私は経済学者ではないので、その点に答えるのが難しいですね。ですが、これは断言できます。価値の高い観光客も、価値の低い観光客も、追い求めるのは同じことです。体験です。つまり、人間のありようの根本にある感情は、論理では片付けられない何かを追求することです。それが今後の論点です。どう説明して、価値に基づく決定にどう投資を戻すかということです。これからのこととして思うのは、皆がその体験を追求するかどうかです。多くの観光地域づくり法人には、価値を示し、注目を集める余地が残されています。これは多額の投資とは一致しないかもしれません。私は、質の高い体験への投資として繰り返されると信じています。答えるのが難しい問題です。どの観光地域づくり法人も「こうした階層の旅行者にターゲットを絞っている」とは言わないでしょう。誰もが体験を求めています。社会経済学的に、場所に関係なく最高の体験を提供するにはどうすればいいのでしょうか ?

 

[00:29:38] アンディ ファン デル フェルツ 確かに。一般に、体験こそが人々を魅了するのです。ただし、どこかの時点で経済的影響が生じます。その影響は都市や地域に残されます。だから、世界中で発展が続くのに伴い、これがどうなるのか、興味深い問題です。次はデータです。DMO の視点から言うとデータの利用はここ数年で変わっています。以前はパフォーマンスの報告の代わりに使われていました。データの利用の最大の変化と、DMO が現在求めているデータのタイプはどういうものですか ?

 

[00:30:12] アンドレアス ヴァイセンボルン はい。今は確かに、観光地域づくり法人にとってデータ取得の黄金時代です。私が社会に出たときは、草創期や暗黒時代ではありませんでしたが、今のように何にでもアクセスできたわけではありません。今は地理位置情報データから影響データ、消費者支出データにもアクセスできます。信じられません。ですが、本当に変わったのは、その責任への理解です。データのコンテキストがわからなければ、データ自体に価値はありません。私たちはパンデミックを通して、社会が論理的社会から非論理的社会に大きく変わる様子を見てきました。ネガティブな意味ではありません。論理の反対という意味であり、感情ということです。私たちはまず感情やストーリーに基づいて決断します。次にその論理を見つけ、データで裏付けをします。要するに、今は多くのデータがあるかもしれませんが、データ第一、ROI 第一で主張すれば、なぜそれが重要なのか、なぜ取り組むのかという論争で必ず負けます。これは観光地域づくり法人が本当に重視したことです。私はこれを左脳データと右脳データと呼んでいます。左脳データは、順番で、直線的で、数学的です。たとえば RevPAR の上昇、客室賃料の獲得、訪問者の支出といったものです。これまで左脳データにこだわり、地域社会に属すという感覚を取り込んでいませんでした。右脳データのストーリー、感情という感覚です。ここで明確にしたいのは、非常に多くのデータがあるということです。今、どのように伝えたかという新たな責任が生まれています。観光地域づくり法人がデータを使って感情第一のストーリーを伝えることを願っています。ROI のデータから離れられないと言うのではありません。これはワンツーパンチです。最初のパンチはストーリー、感情です。次に ROI とデータで最初のパンチを補強します。属すという体験をストーリーとして感じられるように伝えるのです。そして「素晴らしい仕事を多くしているようですが、その裏付けはできますか」と問われたら、これが RevPAR、これが地理データ、これがマーケティング広告購入プランと示し、最大限の情報で裏付けるのです。それが本当に変わり始めていることで、少し方向転換していることです。データを一番に打ち出すだけでなく、わかりやすいストーリーを語るのです。すると、人々は感情的な決断を下し、まずつながりを持ってくれます。その後で、ROI や RevPAR などのデータを示してつながりを固めるのです。

[00:32:39] ブランドン エアハルト やり方は変えてもストーリーのテーマは維持するのですね。数週間前、前のエピソードの中で「ロケ地巡り旅」の概念について話し合いました。ある目的地に旅行するのは、テレビでその場所を見たり、その地域を体験したいと思ったりするからです。映画やテレビ番組を街に誘致したり、番組やテレビがそこで撮影されたと宣伝したりする際に DMO が果たす役割は何でしょうか ?

 

[00:33:09] アンドレアス ヴァイセンボルン そう、ロケ地巡り旅ですね。小さな子供がいるので、私はまだその世界がわかりません。いつかしてみたいですね。

 

[00:33:14] ブランドン エアハルト ここではその言葉に触れただけになりましたが、いいでしょう。

 

[00:33:16] アンドレアス ヴァイセンボルン これまでの人生から離れてみるとか、そこに行ってみようとか、いいですよね。本当に、まだパンデミック後とは言いませんが、観光地域づくり法人は部門や役割という観点でどう立て直すべきかを自問しています。最近頻繁に見るのは、特に映画や音楽に基づくコミッション部門への投資です。つまり、地域社会にロケを呼び込むことに特化した部門です。間違いなく、今世界で最も注目を集めていることがジョージア州とアトランタで行われています。「ハウス オブ マウス」がフロリダからジョージアに移ったのです。ディズニー、スター ウォーズなどあらゆる関連物がです。その中心には観光地域づくり法人がいます。フィルムコミッションとして機能し、映画関連の予約を支援する役割を担い、「ここはロケに最適な場所です」とアピールします。もちろん、税金資産なども関係します。しかし、その素晴らしい資産の数々を考えてください。撮影で文化的な感覚を得られます。ワクワクします。これは、ホテル関係者などのサプライヤー側のためだけではありません。実際に、私たちは映画イベントや撮影の予約を始めることができます。その点で大きな役割があります。今後 5 年から 10 年の間に、そうした資産のために映画やスポーツのコミッション部門を発表する観光地域づくり法人は増えるでしょう。

 

[00:34:38] ブランドン エアハルト 目的地への旅行を考えると、ドラマの「ホワイト・ロータス」などがいいですね。多くの人がこの素晴らしい地域を目にし、旅行しています。このドラマを見ながら、場所を調べています。「ホワイト・ロータス」はテレビで見ていることをもっと深く体験したいと思わせるだけでなく、その体験にただ浸りたいという願望も生み出しています。メリーランド州ボルチモアでは、少なくとも米国では最も人気あるテレビ番組の 1 つ「ザ・ワイヤー」が撮影されました。「ザ・ワイヤー」と「ホワイト・ロータス」のシーンやセットを比較してください。まるで違いますが、どちらも旅行に関連付けられます。何の番組や映画が撮影されたかによって、DMO のアプローチは変わるでしょうか ? DMO はどのように宣伝するのでしょうか ?

 

[00:35:25] アンドレアス ヴァイセンボルン いい質問ですね。私はビジット ボルチモアにいたので、ボルチモアの話を思い出してみましょう。「ザ・ワイヤー」の前に「ホミサイド」というドラマがありました。「ザ・ワイヤー」の後のデビッド サイモンの最新作は、確か銃や特別部隊などの話です。火付け役となる呼び物がある地域社会はすぐに人々の関心を引けますが、それが必ずしも適切な理由によるとは限りません。その良い例がシャーロッツビルです。その中心にあるものについて、観光地域づくり法人は真実に目を向けねばなりません。「これはすべて作り話です」と言いながら活動することはできません。問題の核心は、認識していることが現実であり、それをどう伝えるかです。ビジット ボルチモアのような観光地域づくり法人の仕事では、真実を重視してきました。他の地域社会も現在同じように進んでいます。万人が「ホワイト・ロータス」のメリットを得られるのではありません。真実に立ち向かい、それは留まることのない認識の戦いであると理解しようとしています。

 

[00:36:32] アンディ ファン デル フェルツ いろいろと聞きたいことがあります。私たちは方向性指標と緊密に連携し、メディア ソリューションの観点からもその取り組みを続けます。今、世界中で多くのトレンドが生まれています。鍵となるトレンドとして、調査や分析で念頭に置いて注視し、実情を正確に把握すべきものはありますか ? 今後、目的地の管理のトレンドになりそうなものという意味です。突出していて、意識する必要があると言えるものは何ですか ?

[00:37:02] アンドレアス ヴァイセンボルン 先ほど聞かれた質問に戻りましょう。最大の課題は何かというと、エンゲージメントと関連性です。ホテルの事前販売室数などに関連して、非常に多くの資金モデルがあります。そのため、ようやく観光地域づくり法人が支援とエンゲージメントに取り組み始めたところです。私が伝えたいトレンドは、観光地域づくり法人がロビー活動を行う人の雇用方法や政治的に関与する方法を学んでいること、草の根レベルの支援という意味を超えて、より深く関わろうとしていることです。好ましくない法律があったり、さまざまな呼び物がある場合、率直に言って、すでに地域社会に根付いている草の根活動によってアピールし、前に進むことができます。それが最も突出したトレンドの 1 つです。もちろん、別の旅行トレンドを挙げられますが、観光地域づくり法人に関連しているという点で、この方向転換、投資、支援、草の根レベルの取り組みが始まっています。それは、スタッフの配置、支援や地域社会の関係、エンゲージメントなどの役割を担うスタッフの配属からです。今はそうしたロビー活動をするスタッフを雇用する段階です。私が見ているトレンドの中でそれこそが節目の投資となるでしょう。特にパンデミックを通じて、観光地域づくり法人はとりわけ、大変な事態の中で最も出資を後回しにされた分野でしたから。まさに最下位でした。要するに私たちは、自分たちが重要な組織である理由、出資されるべき理由を伝えきれていなかったということです。そして今、観光地域づくり法人は、自分たちは最下位ではないと訴え始めました。私たちは、地域社会の支援の取り組みを強化する方法を見つけねばなりません。そうすれば最上位の存在と考えてもらえます。後回しにされるのでなく、これからは自分たちで舞台を整えるのです。それが存在感のあるブランドの 1 つです。声をあげる役割を引き受け始めています。もはや販売とマーケティングだけではありません。支援という取り組みも追加する必要があります。それは部門やプロジェクト管理にスタッフを配置することから始まっています。

 

[00:39:08] アンディ ファン デル フェルツ なるほど。いいですね。最後に、お子さんと一緒に夏はどこへ行かれる予定ですか ?

 

[00:39:14] アンドレアス ヴァイセンボルン いい質問です。宣伝ではありませんが、真夏に大きなイベントがあります。ダラスで 7 月に年次大会が開催されるので、確実に 1 週間はダラスにいます。ただし、私は家族第一の人間ですので、どこかの地域を車で横断するキャンプ旅行をいくつか考えています。家族と一緒に行き、できれば長めに滞在したいですね。旅先は北東部です。暑いのは苦手なので、できるだけ北に行って、蒸し暑さから逃れるつもりです。この夏はキャンプや私の家族以外のことから緯度をもとに私を見つけられるでしょう。

 

[00:39:51] ブランドン エアハルト アドバイスをお願いしたいですね。私の子供は 3 歳半で、キャンプに行きたがっています。それで私は裏庭を通るのに少しナーバスになります。しかし、もうすぐ裏庭遠足を行う予定です。素晴らしい夏になりそうです。私にとっても楽しい体験でした。

 

[00:40:04] アンドレアス ヴァイセンボルン デスティネーション インターナショナルの仕事について詳しく知りたい方は、DestinationsInternational.org をご覧ください。

[00:40:14] ブランドン エアハルト アンディさん、アンドレアスさんから素晴らしいお話が聞けましたね。インサイトに富んでいました。ここで「ザ・ワイヤー」の話になるとは思っていませんでした。多くのトピックがありましたが、目的地の管理のために日々必要なことを理解している人と話すのは楽しいです。会話からたくさんのことを学べました。ところで、アンディさん、あなたの夏の旅行の話を聞いていません。どのような計画ですか ?

 

[00:40:38] アンディ ファン デル フェルツ もちろん計画しています。10 代の息子とニューヨークに行きます。実はたまたま、旅行の購入段階であることを知ったからです。皆さんが期待している目的に反しますが、最後に気が変わったのです。本当はバルバドスを訪れる予定でした。24 時間キャンセル可能な飛行機を予約した後、18 時間のところでキャンセルし、バルバドスの代わりにニューヨーク行きを 3 人分予約しました。その理由は、カリブの天候を調べたせいです。良さそうではありませんでした。それでニューヨークにしたのです。それが私の休暇です。楽しみです。

 

[00:41:14] ブランドン エアハルト アンディ、私よりはるかに DMO に詳しいので、1 つ聞きたいことがあります。今回のエピソードでの最大のポイントをいくつか挙げてもらえますか ?

 

[00:41:25] アンディ ファン デル フェルツ 移り変わりが激しい問題ですね。世界のどこにいるかによって、誰が出資しているか、権限は何か、つまり、サステナビリティ、宿泊税、成長、経済的な影響など、あらゆる問題があります。こうした組織が達成する必要のある目的や目標は実に多彩で、どれもあまり似ていません。資金面では特にそう言えます。どこに向かっているかを常に把握するのは、ほぼ一日仕事です。本当に幅広い違いがあります。カナダは観光からサステナブルな事業を興して維持する方法を真剣に考えています。それに対し、サウジアラビアはサステナビリティの競争に参戦し始めましたが、そこにある目的地を考えると、期待されるような最高レベルではありません。私の見解では、進化は続きます。私が DMO で働き始めたとき、DMO は観光業で、私たちは成長を望むばかりでした。今はすっかり変わりました。今は、現在の環境にどう関連性を持ち続けるかが重要です。おそらく重要なポイントは関連性を維持することでしょう。

 

[00:42:43] ブランドン エアハルト 変化は常に起こり、旅行には多くの変化があります。それについても学ぶことができました。素晴らしいエピソードでした。ニューヨークで素敵な時間をお過ごしください。一緒に番組を進めていただき素晴らしい時間を持てました。お話ししたように、皆さんは何でも始められますが、何でもする人は多くありません。ご参加ありがとうございました。またいつでもお越しください。

 

[00:43:01] アンディ ファン デル フェルツ ブランドンさん、ありがとうございました。

 

[00:43:06] ブランドン エアハルト ポッドキャスト「旅行ビジネスをサポート」の本エピソードをお聴きいただきありがとうございました。今シーズンのエピソードも残すところ 2 つとなりました。ですが、ご心配なく。ここに夏休みはありません。数週間空きますが、すぐにシーズン 3 が始まります。皆様のご感想をお聞かせください。どのようなトピックを聴きたいですか ? 私たちと共有したい話はありますか ? ぜひ PoweringTravel@Expediagroup.com までメールでご連絡ください。poweringtravel@Expediagroup.com です。評価とレビューもお願いします。皆さんのような方にこの番組を知っていただくためです。ご意見、ご感想をお寄せください。今シーズンの残りの 2 つのエピソードはすぐにお届けします。それまで、しばらくお待ちください。この「旅行ビジネスをサポート」は Expedia Group がお送りしています。



登場いただいた専門家の皆様


アンドレアス ヴァイセンボルン氏

デスティネーションズ インターナショナル、リサーチおよびアドボカシー担当バイスプレジデント

アンドレス ヴァイセンボルン氏は、たまたま応募したビジット ボルチモアのインターンシップをきっかけに観光地域づくり法人の世界に足を踏み入れました。ホスピタリティ業界で予想もしていなかったキャリアをスタートさせ、観光業界に情熱を持ち続けています。ビジット ボルチモアには 11 年近く勤務し、組織全体のリサーチ、テクノロジー、情報システムに携わりました。2017 年、デスティネーションズ インターナショナル財団の事業を代表するアソシエーションに入り、デスティネーションズ インターナショナルの専属調査員となりました。

アンドリュー ファン デル フェルツ

Expedia Group Media Solutions のビジネス デベロップメント担当グローバル シニア ディレクター

アンドリューのチームは、Expedia Group ブランド全体の宣伝機会やキャンペーンに関して、旅行会社、観光地域づくり法人、ホテルおよび航空業界のパートナー様と緊密に連携しています。

ブランドン エアハルト

Expedia Group、マーケティング部門バイスプレジデント兼 「旅行ビジネスをサポート」メイン MC

Expedia Group の B2B 宿泊施設に関するマーケティング責任者であり、パートナープログラムの拡張に関して重要な役割を果たしてきました。戦略的事業をリードし、収益分析データの利用を広げることでパートナー様の成功を促進しています。妻と旅行好きの子供と一緒にイリノイ州シカゴで暮らしています。



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