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ホテルの料金設定にはそれぞれ背景があります。その背景が謎に包まれており、収益の損失が生じているケースも少なくありません。
世界各国の 2,000 人を超えるホテル関係者を対象として Expedia Group が実施した最近の調査では、ほぼ全員 (98%) が過去 1 年間に料金の不正利用による収益の損失を経験したと回答しています。収益の損失の発生率は 1 か月あたり平均 8 回に上ります*。
この結果は、ホテル関係者のための世界最大規模の B2B エコシステムを保有する Expedia Group が、細分化した卸売販売環境について理解を深め、その影響を明らかにする目的で実施した調査によるものです。調査は米国、カナダ、メキシコ、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、日本で実施され、その対象は独立系ホテル、小規模なホテルグループ、中規模および大規模なホテルチェーンと多岐にわたっています。
ホテル料金は本来、明確で管理可能なものです。ホテルの収益管理担当者は、ホテルの戦略や季節ごとの需要を慎重に考慮し、見込み顧客に合わせて準備を行います。しかしスタート地点を離れた瞬間から、その道は迷路のように枝分かれします。設定された料金がオンライン旅行会社 (OTA)、ホールセラー、再販業者、Bed bank などを経由する過程でタッチポイントが増加し、料金の不正利用が行われるきっかけを作ります。調査によると、調査対象となったホテル関係者の半数以上 (52%) が現在 4 ~ 6 社のディストリビューション パートナーと連携しており、数千とは言わないまでも、数百の間接チャネルにアクセスできる状態になっています。
調査結果が示すように、この広大なネットワークで料金を維持することは困難です。料金が誤って表示されたり、不適切な料金が適用されたり、本来表示されるはずではないサイトで販売されたりする可能性があります。弊社の調査の目的は、B2B エコシステムの複雑さを原因とする料金の不正利用がどの時点で発生し、ホテルの収益が危険にさらされるのか、という緊急の問いに答えることです。
調査対象となった 2,000 人のホテル関係者のうち、料金の不正利用による収益の損失を経験した人の割合。
料金の不正利用が発生するタイミング
弊社が行った調査では、1 回のエラーで料金の不正利用が発生するのは稀であることが明らかになっています。料金の不正利用は、細分化された広大なエコシステムに存在するいくつもの複雑さの副産物なのです。
ホールセラーの売上の 49% が意図しないパートナー様に流出
ホールセラーによる意図しないパートナー様への料金の漏洩が発生すると、ホテル関係者がそれを認識できず、本来表示されるべきでないチャネルに料金が表示される可能性があります。
料金のアップロードに関するエラーの 49% は人為的なミスが原因
販売システムの複雑さゆえに、データの間違い、不適切な制限の適用、更新の見落としといった 1 回のミスによって、誤った料金があっという間に広まることがあります。
未承認の再販業者の 48% が料金を公表
ホールセラーによる意図しないパートナー様への料金の漏洩が発生すると、ホテル関係者がそれを認識できず、本来表示されるべきでないチャネルに料金が表示される可能性があります。
調査の結果から、財務上の深刻な損害の背景も明らかになっています。ホテル関係者の概算では、料金の漏洩によって過去 12 か月間に生じた収益の損失は平均 6% です。大規模ホテルチェーンでは、この数値は 7% に増加します。わずかな比率に思えるかもしれませんが、年間の損失は途方もない額になり、数百万ドルに達するケースもあります。
収益への影響だけでなく、料金の監視に伴う運営費も高額になります。各ホテルのチームは常に、料金の更新、手作業でのパリティ検査、価格低下に対する措置などの作業に追われています。回答者は B2B ディストリビューションの管理に年間平均 $40,100 を費やしており、77% が時間とコスト上の負担が大きい、または中程度と回答しています。その結果、顧客満足度の向上や成長のために費やされるべき時間やリソースが失われているのです。
B2B ディストリビューションの管理に関する平均支出額。
過去 1 年間に報告された料金の漏洩による収益の損失の割合。
料金の整合性を確保するプロセス
弊社の調査は、本来の料金を維持することの難しさを示す一方で、今後進むべき道筋も明らかにしています。Expedia Group はホテル関係者に対し、70,000 社以上の厳選されたパートナー様からなる信頼性の高いネットワークにおける料金の移動の安全性と一貫性を保証しています。こうしたパートナー様には、最大手の金融機関、法人旅行者の管理会社、航空会社なども含まれます。
ホテル関係者は、弊社のグローバルな B2B ディストリビューション ネットワークを通じて、費用と労力を増加させることなくリーチを拡大し、購買意欲の高い旅行者にアピールすることもできます。購買意欲の高い旅行者には、早い段階で予約を行い、滞在期間が長く、支出額が多くなる傾向があります。優良顧客による平日のホテルへの宿泊数は通常より 10% 近く多くなります。さらに、弊社の B2B ネットワークからの予約は、3 分の 2 以上が米国以外の旅行者によるものです。
B2B ディストリビューション料金は、ネットワークパートナー様に対して、旅行者に在庫をアピールする機会を提供します。対象の宿泊施設はこのプログラムに登録することによって、B2B のリーチと予約をさらに最適化できます。導入以降、39,000 軒以上の宿泊施設がこのプログラムに参加し、70 を超えるホテルチェーンが本登録またはトライアル登録を行っています。たとえば、アコー グループは Expedia Group との提携によってレジャー販売の効率化を実現しています。
信頼性の高いディストリビューション料金と B2B のリーチは、信頼性と拡張性の高い方法で世界規模の需要を取り込みながら、料金の整合性を守ることを可能にします。
Expedia Group は不正利用の検出、悪質業者の排除、旅行者に対する公正で一貫した価格設定の維持などを通じて、この複雑な環境における調査官、監視官としての役割を果たしています。より高いコンプライアンス基準を設定することによって、各ホテルが自社のブランドを守ると同時に、お客様が安心して予約できるようサポートします。
Expedia Group の対応策
厳格な審査
一部の競合他社とは異なり、Expedia Group ではネットワークに参加するすべての B2B パートナー様に対して事前に審査を実施したあと、認定を行っています。
積極的な監視
専任のコンプライアンスチームがパートナー様の活動の調査と追跡を毎日実施して、問題が深刻化する前に解決します。
違反を許さない厳格なポリシー
料金に関する問題が発生することは稀ですが、万が一発生した場合には、弊社のポリシーによって段階的なペナルティや、必要な場合は契約の解除を伴う措置が即座に実施されます。
弊社は B2B エコシステムの複雑さを認識しています。ホテル関係者は自社の料金を利用するパートナー様に対する管理の強化を望んでいます。Expedia Group はこのような要望の高まりを受けて、ネットワークに公開された料金を維持するための予防策と監視手段を提供しています。料金がネットワークの外部に流出すると、弊社ではその料金を管理できなくなります。その中で、弊社は整合性と一貫性に関する基準を設定しています。
今後の道筋
調査には終わりがありません。ソーシャルメディアの活用や AI プラットフォーム、進化した再販モデルなど、新しい販売チャネルが日々誕生しています。Expedia Group の使命は、ホテルに新たな成長の機会を提供しながら整合性を守り、新たなつながりを厳しく審査することです。
ホテル関係者は、かつてない重要な選択を迫られています。料金が本来の道から逸脱すれば、信頼の低下と収益の流出につながります。ホテル関係者は、Expedia Group の監督下に入ることによって、ネットワーク内で自社の料金が守られ、一貫性が維持され、収益性が可能な限り確保されるという確信を持つことができます。
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おすすめの情報
*本調査は、米国、カナダ、メキシコ、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、日本の 2,003 名のホテル関係者を対象として、Censuswide が実施したものです。回答者には、独立系ホテル、小規模ホテルグループ (50 軒未満)、中規模ホテルチェーン (51 ~ 500 軒)、大規模ホテルチェーン (500 軒以上) が含まれます。データの回収期間は 2025 年 8 月 8 日 ~ 8 月 13 日です。Censuswide は、Market Research Society (市場調査協会) の指示に従い、Market Research Society の会員を雇用し、Market Research Society の行動規範と ESOMAR が規定する原則に従っています。Censuswide は、英国世論調査協議会 (BPC) にも加盟しています。