「旅がなければ人生は楽しくありません。コロナ禍のとき、多くの人がそう感じたはずです。旅行への熱い思いが消えず、燃え続けるというのはすごいことです。」
What to listen for
「旅行ビジネスをサポート」エピソード 5 の「プレイ」ボタンを押し、2 回目の登場となるスペシャルゲスト、スキフト創刊者兼編集長のデニス シャール氏とのトークをお聴きください。
今回のエピソードでは、メイン MC のブランドン エアハルトとゲスト MC のリチャード コッカーが、変化の激しい旅行業界について、シャール氏と一緒に鋭く切り込んでいます。また、旅行業界でデータとインサイトを使って戦略的な意思決定を行う方法や、調査の活用から旅行動向の追跡まで、さまざまな目的にデータの活用する方法に迫っています。
さらに、人工知能、ChatGPT、コロナ禍後の需要に関するコメントを含め、旅行業界でホットな話題と将来の予想についても触れています。
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[00:07:09] ブランドン エアハルト 興味深いですね。デニスさん、スキフトでは意味のあるデータとそうでないデータをどうやって見分けていますか。スキフトがどのようにこの問題を解決したか、重要なデータをどのように特定できるのか、お話しいただけますか。
[00:07:22] デニス シャール 私が信頼性が低い情報と見なす例がいくつかあります。無視しようとは思いませんが、かなり警戒するタイプの情報です。その 1 つはもちろんソーシャルメディアです。ときには貴重な情報を教えてくれることもありますが、たとえば、以前、Airbnb のホストがツイートで新しいポリシーなどについて不平を述べていても、それが多数派の意見とは限らない、ということがありました。たとえば、Airbnb が検索に変更を加えたとき、予約が消えたと言っていたホストが大勢いました。しかし、調べるとそれは少数派のコメントだと判明しました。声が大きいからといって正しいとは限らないのです。2 つ目に、調査に関して私が確認することですが、私はジャーナリストとして、スポンサー付きの調査を必ず疑うようにしています。つまり、企業が第三者の調査会社と提携して自社に有利な報告書を発表する場合ですね。たとえば、2022 年、Oxford Economics は Airbnb に委託され、プエルトリコでの短期レンタルに関する報告書を発表しました。この報告書では、投稿の 92% は島内から、つまり地元からでした。しかし、Center for a New Economy という会社が発表した別の調査では、実際はプエルトリコにおける短期レンタルの売上の 79% は、複数の掲載施設を持つ企業または大規模施設管理会社が上げたものでした。つまり、短期レンタルブームで儲けているのは一般のホストだという話は誤りだったのです。
[00:08:54] ブランドン エアハルト ある調査と別の調査とでまったく違う結果になったり、少なくとも大きく異なる結果になるというのは、とても興味深いですね。デニスさんはストーリーを書くことがご専門ですが、 そういったインサイトを反映したストーリーをどうやって見つけているのですか。多くの企業は言葉を流行らせたいと考えており、スキフトが得意なことがまさにそれで、起こっていることをうまく表現する言葉を見つけ、その中で流行るものがあるのだと思います。オーバーツーリズムというのも、そういった流れでスキフトが生み出した言葉ですが、最近、1 か月ほど前からでしょうか、その言葉を修正するようになりました。おそらく、その言葉を使うべき理由も、スキフトが考えを変えた理由も、それぞれ妥当な理由がいくつもあるのだと思いますが、見つけたインサイトや調査内容を反映したストーリーをどうやって見つけているのか、伺ってもよろしいでしょうか。
[00:09:52] デニス シャール はい。オーバーツーリズムについては、旅行者を責めているように感じられる言葉であるため、修正しました。ストーリーをどうやって見つけるかという点については、一番の方法は人と話すことです。もう一つ、私は暇さえあれば SEC への提出書類を読み漁る「オタク」でもあります。上場企業が提出する 10-K という年次報告書があり、これは企業に関する百科事典のようなものだと思うのですが、非常に多くの情報が掲載されています。誰も伝えてくれないたくさんのニュースが載っていて、私はこの報告書を読むことでキャリアを築いたと言ってもいいでしょう。
[00:10:33] ブランドン エアハルト それについて質問があります。後で戻ってリチャードさんにもお尋ねしたいと思いますが、どうしても今、デニスさんに聞いておきたいんです。デニスさんがしていることに気付いて、先日、自分でも考えていたのですが、情報のポイントを見つけるために ChatGPT を使っていますか。あるいは、情報収集を簡単にするためにどのような方法を使っていますか。
[00:10:51] デニス シャール ええ。ChatGPT を使っています。合理的な検索方法だと思います。ちなみに、先日、スキフトは自社アプリに「Ask Skift (スキフトに質問)」ツールを追加しました。これは、旅行について何でも私たちに質問すると ChatGPT が答えてくれるというものです。ところで、実は私はこの対話のために ChatGPT を使っているんです。今後 5 年前後で別のパンデミックが発生しても不思議ではない、と言おうと思っていたんですよ。ですが、これは素晴らしいツールです。とても時短になります。ただ、ストーリーを書くのには使っていません。残念ながら、すべて自分で書いていますが、本当に良いツールです。
[00:11:30] ブランドン エアハルト お言葉ですが、シカゴはもう新型コロナウイルスで 3 年間のロックダウンはしませんよ。もし私が間違っていたら、プエルトリコのデニスさんのところに行くかもしれませんが。
[00:11:37] デニス シャール わかりました。どうぞ、どうぞ。歓迎しますよ。
[00:11:39] ブランドン エアハルト リチャードさん、ストーリーとインサイトの反映の話に戻るのですが、Expedia Group ではそれに関してとても興味深い方法を使用しているのではないかと思います。そのプロセスと、さまざまなデータの中からストーリーを見つける方法を説明していただけますか。
[00:11:52] リチャード コッカー 私たちがお話ししたいのは、世界の旅行者がいつ、どのように、どこへ旅行しているかをリアルタイムに伝えるストーリーです。そして当社のデータのサンプルサイズは、旅行業界の状況を十分反映できる大きさだと思います。ただし、日常レベルで言えば、私たちはそれをビジネス戦略における意思決定に使っており、当社で行われるすべての意志決定は、客観的観点からデータによって支えられています。当社はパートナー様と協力しており、エクスペディア側の戦略だけでなく、パートナー様の戦略を伝えることにとても価値があると認識しています。特に業界の状況についてパートナー様が視野の狭い見方をしている場合、私たちが包括的な見方を提示することができます。たとえば、最近増えているレジャー旅行ですが、これはレジャーと出張とを組み合わせたものです。パートナー様は当社に対し、独自データとサードパーティーのデータを通じて得たソートリーダーシップを求めています。うまくいった例がヒューストンです。ヒューストンは旅行者とのコミュニケーションでインサイトを活用し、出張が終わっても滞在を続けてレジャーを楽しむよう旅行者に促しました。コロナ禍のときに国内旅行の人気が上昇したというのは、当社が現状を受け入れ、パートナー様が Expedia Group の各サイトに広告を掲載して当社と力を合わせるようパートナー様を促したということもあると思います。当社は、国内の目的地をおすすめして国内旅行に関するメッセージを送るようにパートナー様に促し、当社独自のデータかサードパーティーデータかを問わず、データの中に意味のある情報が見つかったポイントに対して、その戦略を実行しました。そしてそれをパートナー様に伝え、パートナー様が Expedia Group におけるマーケティングへの投資方法について意思決定したり、もっと広く、そのような戦略を取る理由や、先ほど話した衛生対策について意思決定できるようにしました。繰り返しますが、私たちはパートナー様にソートリーダーシップを提供でき、パートナー様はそれを反映したクリエイティブを作成できました。ですが、全般的に言って旅行には周期的なトレンドがあるため、お客様が目的地を検索したり予約したりするタイミングを特定できます。これは、いつお客様にアピールすべきか、いつ以前の問題点について考察して需要を高めるべきか理解したい当社のパートナー様にとって貴重なデータです。
[00:14:00] デニス シャール 世界が変わろうとしている感じがしますね。先ほどのレジャー旅行です。私たちはブレンデッドトラベルと呼んでいますが、現在、航空業界全体が、ブレンデッドトラベル、つまりレジャー旅行と出張を組み合わせた旅行向けに、出張が以前の状態に元通り回復する前に多くのお金を使おうとしている旅行者に、飛行機前方の座席の航空券をたくさん売っています。
[00:14:25] ブランドン エアハルト ジャーナリストのデニスさんに、データについていろいろと伺いました。興味深いお話でした。ストーリーに必要な情報を集める方法は面白かったですね。それから、リチャードさんのチームが発表する内容について、正確なだけでなく興味深いものにするためにどのように取り組んでいるかを伺うと、デニスさんと同じ誠実さで当たっておられることがわかりました。同じ仕事をしているジャーナリストのデニスさんのお話を聞いてどのように感じたか、もっと詳しくお話しいただけますか。
[00:14:57] リチャード コッカー はい、旅行業界、旅行ジャーナリズムの分野の著名人のお話を聞くのは、とても新鮮で自信にもつながりました。私も私のチームも毎日記事を読んでいますが、私はいつも記事の裏付けとなるデータに刺激を受けており、そういったデータの中にストーリーを見つけ、トレンドのヒントを掴み、その中に共感できるものを発見しています。このソートリーダーシップについては、スキフトともっと緊密に協力できる部分があるのではないかと思っています。スキフトには素晴らしいアイデアや考えがあり、当社はそれをサポートするデータを提供できます。先ほど言ったようにすっきりした気持ちですし、誇らしく思います。
[00:15:40] ブランドン エアハルト ええ、本当に。デニスさんは私のお気に入りのゲストの一人で、来ていただけるといつも素晴らしい番組になります。データ収集の実態とインサイトに客観性を与える方法について少し説明していただきましたが、デニスさんとリチャードさんのアプローチを聞くのはとても刺激的でした。
[00:15:56] リチャード コッカー 本当にそうですね。おっしゃるとおりだと思います。私たちが行っている業務とデニスさんが見ている内容には重なっている部分が多く、機会についての話をもっとしてもよかったと感じました。インタビューの次のパートがとても楽しみです。
[00:16:10] ブランドン エアハルト そうですね。それではデータ収集とインサイトの基本から離れて、将来の予測について話しましょう。インタビューの前半でデニスさんが将来について予測していましたが、とてもホットな話題もありました。今回も同じだと思います。デニスさんの面白くて洞察を与えてくれる話をたっぷり聞いてみましょう。インタビューの後半です。それでは、いよいよお待ちかねの、将来のトレンドについてお伺いする時間です。今回は討論会形式で、最初にデニスさん、次にリチャードさん、最後に私が締めくくるという形でいきます。では、今後何が起きるか、お伺いしましょう。デニスさんからお願いします。業界はどこに向かっていると思われますか。次に来る新しい大きな流れは何でしょうか。先ほど ChatGPT のプラグインの「Ask Skift」について少し話しましたが、次に何が来ると思うか、あなたの考えを自由にお聞かせください。
[00:16:58] デニス シャール ええ、大きなトレンドですね、人工知能は。旅行者が旅行を計画するときに、とても役に立つでしょうね。エクスペディアはモバイルアプリでプラグインと生成 AI 機能の両方をリリースしましたが、多くの企業が業務の効率化のために社内でも AI を利用すると思います。誇大宣伝と現実とを区別するという話も少ししましたが、人工知能は大きな存在になっていくでしょう。また、意図しないさまざまな影響を生む可能性もあります。人工知能に関する信頼性の低い話の中で、もうすぐハイパー パーソナライゼーションの新しい時代が来るというのは、あまり現実的ではないと思います。人工知能の使用方法としては、まだかなり時間がかかるというのが私の考えです。実現はかなり難しいでしょう。
[00:17:49] ブランドン エアハルト リチャードさん、どうぞ。
[00:17:50] リチャード コッカー ChatGPT の使用方法という観点には興味がありますね。デニスさんも挙げましたが、個人的には業務をどのように効率化できるかに注目しています。データインサイトの観点から言えば、インサイトの取得をどのくらい迅速化できるか、入手したデータセットに対してどのように AI を適用するか、どのようなインサイトをより効率的に見つけることができるか、といった点が、私のチームの将来や私たちがインサイトを生み出す方法に関連して非常に価値があると見ています。またもっと広い観点では、旅行のトレンドに関して、コロナ禍の際に見られた新しいトレンドであるバケーションレンタルに対する持続的な需要がどのように続くのか興味があります。また、お客様からは、納屋やハウスボートや古城ホテルなど、ユニークな体験を予約したいという要望が増えていました。これが私のもう一つのポイントにつながるのですが、お客様は体験に対する欲求が高まっていると思います。新しいユニークな体験、多くの点でお金では買えないものです。お金で旅行は買えますが、通常はいわば 1 回限りの体験です。コロナ禍のときを振り返ると、その間に多くの旅行の機会が失われました。そこで今、家族や旅行者は失われた時間を埋め合わせて世界を見ようとしているのだと思います。また、これは料金の上昇への良いサインだと思います。あと 2 つほどあります。レジャーや娯楽についても言っておきます。繰り返しになりますが、働き方の変化により、世界のどこにいても働けるという大きなトレンドが起きています。出張とレジャー旅行を組み合わせるお客様が増えており、多くの場合、そのためにバケーションレンタルの予約が増加しています。最後の点は、持続可能な旅行体験を取り上げた別のポッドキャストがあったと思いますが、これも世界の旅行業界の大きな流れになると思います。
[00:19:37] ブランドン エアハルト ありがとうございます。私からは 2 つ付け加えます。1 つは、コロナ禍で 2、3 年家に閉じこもって Netflix を見ていたときからですが、映像で目にする目的地に行きたいという人が増えています。これはすでに 1 つのビジネスになっていて、観光地域づくり法人や宿泊施設、旅行のサプライヤーが画面に映る別荘地を巡る争いを始めていると思います。ただ、このような『ブラッドライン』や『ホワイト・ロータス』で見られるような現象は、古くは『セックス・アンド・ザ・シティ』とニューヨークの関係までさかのぼると思いますが、規模はますます大きくなるでしょう。ですから次に私たちがすべきことは、旅行者が目的地を簡単に見つけて予約できるようにサポートすることでしょう。2 つ目はデニスさんと同じ意見ですが、ハイパー パーソナライゼーションの実現はかなり先だと思います。一気にすべてを解決したい誘惑にかられるかもしれませんが、結局はそれぞれの内容がポイントになります。ロイヤルティに関するパーソナライゼーションでは、どのようなメリットを望むか、たとえば次回の旅行の割引を望むのか、キャッシュバックを望むのか、ポイントか、朝食などの宿泊特典を望むのか、といった点です。私が考える今後の方向性は、さまざまな大規模な特典プログラムについては、現在非常に多くのロイヤルティ プログラムがあるため、お客様を惹きつけるために、よりパーソナライズされたアプローチが必要になると思います。誰であれ、個人に一番早く声をかけられる者がシェアを拡大し、予約をコントロールできるのではないでしょうか。以上が 2 つの興味深いトレンドです。デニスさんに質問があります。バケーションレンタルが人気になり、コロナ禍の中ではっきりとブームになりました。2024 年に向けて、大きく伸びると思われる他の旅行分野はありますか。
[00:21:24] デニス シャール 都市の人気が戻ってきていると思います。エクスペディア の最近の収益報告書でバケーションレンタルの需要について触れていましたが、コロナ禍の時に比べて少し落ち着いてきているという話でした。都市の人気が戻ってきており、ホテルの人気が戻ってきています。ニューヨークに多くの旅行者が戻ってくると思います。また、コロナ禍のときにリゾート地へのバケーションが盛んになったのは、そこ以外に行けなかったからだと思います。ですよね ? しかし、都市の人気が戻ってくれば、そちらの人気が少し落ちてくるのではないでしょうか。先ほど話されていた目的地の別荘地に関してですが、どこでお客様を獲得できるか、どのようにそれを提示するかという点で、長期的に見て Facebook が広告シェアを失い、TikTok や Hulu などのプラットフォームがそのポジションを奪っているのは明らかです。旅行業界では既存企業の座を新参企業が奪うのは新しい現象ではありませんが、今回も間違いなくそれが起こると思います。
[00:22:27] ブランドン エアハルト プロダクトプレースメントや TV 自体のメディアのことを考えると、確かに新しいものではありませんね。70 年代か 80 年代に始まったものです。史上最も成功したプロダクトプレースメントは、映画の『トップガン』ではないかと思います。映画封切り後の海軍の志願者数などに効果が表れています。1986 年の 1 作目ですね。TV や目的地の掲載についてはとても多くの機会があると思います。
[00:22:51] デニス シャール 地域と広告という点に注目するなら、地域の魅力と文化を基にした「ディスカバー プエルトリコ」広告キャンペーンはうまくいきましたね。これは、「お客様は本物の体験を求めている」という、先ほどのリチャードさんのお話とも重なります。人気の観光スポットに行きたいのと同時に、現地に溶け込みたいと考えています。そういった点はかなり重要で、とても響きます。
[00:23:15] ブランドン エアハルト トレンドのもう一方の面についても伺いましょう。流行りにはつい目を奪われることもありますが、中には一時的なブームで終わるものもあります。今の旅行業界で、それに当たるものは何でしょうか。現在のトレンドのうち、長続きしないと思われるものは何でしょうか。まずはリチャードさん、次にデニスさん、お願いします。
[00:23:34] リチャード コッカー 前にデニスさんが仰ったことと少し関係するでしょうが、新型コロナウイルスについては話したくありませんが、インサイトは多く得られました。コロナ禍の際は、旅行の弾力性が原因だと思いますが、旅行における人の移動方法や行動が変化しました。当時は、もう街に人が戻ってくることはないとか、旅行者は都市に関心を失ったとよく言われていたと思います。しかしデニスさんが指摘したとおり、データは逆の事実を示しています。旅行者は大挙して都市に戻ってきており、2019 年のレベルまで回復しています。おそらく、都市を逃れ、大都市から離れて暮らし始めた人たちにも同じことが言えるでしょう。そういった人たちも都市に戻ってきているかもしれません。以上が、私の考える一時的なトレンドですね。
[00:24:16] デニス シャール ビジネスの観点、それから消費者の観点からもそうですが、消え去るトレンドはメタバースだと思います。
[00:24:26] デニス シャール あれは Facebook がやっている巨大な無駄遣いのようなものだと思います。メタバースにつぎ込んでいる金額は何十億ドルにも上ります。あの有名はセリフは、「作れば彼らはやってくる」ではなく、逆ですよね。メタバースを作っても誰もやってこないでしょう。先日、トラベルズーも同社独自のメタバースを作ったので、様子を確認しなければなりませんが。AI がこれほど注目を浴びている今、メタバースに投資するのは、タイミングも投資先も悪いと思います。もう一つ言おうとしていたのは、ブロックチェーンについてです。多くの旅行会社で、ブロックチェーンでエクスペディアとの取引が省略される、Global Distribution System が省略されるという話が多く聞かれました。ですが、今、そんなことを言っている人はあまりいません。
[00:25:10] ブランドン エアハルト デニスさん、ありがとうございます。リチャードさん、消え去りますかね。
[00:25:13] リチャード コッカー はい。メタバースについてデニスさんの話を補足したいのですが、私も同じように感じています。多くの投資のことを考えると、やや誇大宣伝に感じられます。ですが、これは世代的なものかもしれません。私自身は 40 代で、メタバースで旅行を体験するというのはピンと来ません。しかし、デジタル機器に囲まれ、私よりはるかに仮想世界の中で育っている私の子供たちの場合、旅行計画を立てたり、実際に旅行を体験したりするうえでメタバースが大きな役割を果たすときが来るかもしれません。ですから、私はメタバースには未来があると思います。ただし、業界で当初考えられていたよりも長い時間がかかると思いますが。
[00:25:51] ブランドン エアハルト 興味深いお話です。個人的には、なくならないとしても減るのではないかと思います。デニスさん、次のテーマです。次にリチャードさんにお願いします。年末が近づく中、2024 年以降の海外旅行について、ワクワクしている点や楽観視していることはありますか。
[00:26:05] デニス シャール 旅行に関するネットの都市伝説みたいな話があります。同時多発テロ事件の後に旅行業界が大きく落ち込んだとき、エクスペディアの誰かが買収の話を進めるかどうか話し合っていると言いました。そのとき、エクスペディアの役員か経営陣の誰かが「旅がなければ人生は楽しくない」と言ったそうです。私が興奮しているのは、今、私たちがそれを目の当たりにしていることです。それも大勢の人が押し寄せている様子を。経済学者たちは不景気やインフレ、物価上昇について話していますが、旅行したいという皆の願いは衰えていません。旅がなければ人生は楽しくありません。コロナ禍のとき、多くの人がそう感じたはずです。旅行への熱い思いが消えず、燃え続けるというのはすごいことです。
[00:26:53] ブランドン エアハルト リチャードさん、お願いします。
[00:26:54] リチャード コッカー 私も旅行者の粘り強さについて、デニスさんと同じようなことを言おうと思っていました。それは素晴らしいことだと思います。個人的に旅行に関してワクワクしていることがあります。私は今、英国に住んでいて、8 月に家族と一緒にシアトルに移るのですが、米国を旅する拠点ができて、今まで行ったことがない州を訪問するのを楽しみにしています。これは少し個人的な話ですが、先ほどデニスさんが仰ったように、旅行者の持つ粘り強さと将来、どのような新しいトレンドが生まれるかは楽しみですね。
[00:27:24] ブランドン エアハルト リチャードさん、行ってみたい米国の州の 1 位はどこですか。
[00:27:29] リチャード コッカー 良い質問ですね。カリフォルニア州には何度か行ったことがあるのですが、レジャー旅行では 20 年間行っていません。ですからカリフォルニア州をもっと満喫したいですね。
[00:27:41] ブランドン エアハルト デニスさん、夏の旅行の予定はありますか。デニスさんは世界一夏が暑い場所にいますよね。プエルトリコはうだるような暑さだと思います。米国本土や海外への旅行は計画していますか。
[00:27:54] デニス シャール 日曜日にアイスランド旅行から帰ってきたのですが、気候はプエルトリコといい勝負でした。私の会社から 70 人ほどが行きました。1 年に 1 回くつろぎに行くんです。アイスランドは 2 回目ですね。素晴らしかったです。私も行ったことがない場所がたくさんあります。ベトナムは一生に一度は必ず行きたい場所です。インドにも行ったことはありません。この 2 つは絶対に行きたい場所ですね。
[00:28:14] ブランドン エアハルト 私もベトナムは大好きなんです。エピソードの半分以上でベトナムに触れていると思います。私が行った国の中で最高の場所の 1 つです。また、ベトナム、日本、中国、フランス、少しだけ米国といった風に、非常に多くの異なる文化が溶け合っています。まさに文化のるつぼで、その結果、とても美味しい食べ物と素敵な人たちが誕生しました。ベトナムでは夢のような時間を過ごしました。ですから、デニスさんも近いうちにぜひベトナムに行ってみてください。素晴らしい場所ですから。
[00:28:42] デニス シャール 良いですね。計画しましょう。
[00:28:47] ブランドン エアハルト アイスランドの地方ですか。働くのがとても楽しそうな場所ですね、リチャードさん。
[00:28:53] リチャード コッカー ええ。アイスランドでリモートワークができたらいいですね。とても楽しそうです。メタバースについてデニスさんとも話しましたが、メタバースはしばらく話題に上がっていないテーマでしたので、今回取り上げたのは良かったと思います。ブランドンさんは何か旅行の計画はありますか。
[00:29:10] デニス シャール 今年の夏はどこに行くか、まだ最終的に決めていませんが、今週の「やること」リストに入れています。
[00:29:16] リチャード コッカー 私たちは去年の夏はヘルシンキに行きましたが、くつろぐのにとても良い場所でした。素晴らしい旅行、素晴らしい夏の旅行になりました。
[00:29:25] ブランドン エアハルト 夏に行くには素晴らしい場所ですよね。夜 11 時にレストランやバーから出て通りを歩くと、昼の 2 時みたいに太陽が出ているんです。ここ米国では決して体験できないことです。ですが私たちは、もうすぐこちらにリチャードさんをお迎えできるのを楽しみにしているんですよ。ただその前に、Expedia Group でリチャードさんが行っている豊富な調査内容に視聴者の皆さんがどうすればアクセスできるか、その方法についてお話ししましょう。
[00:29:48] リチャード コッカー はい、私たちのデータや調査には主に 2 つの方法でアクセスできます。1 つ目の方法として、当社が業界向けに公開するデータ分析は、当社のすべてのサイトと当社の Media Solutions ブログからアクセスできます。また、当社の四半期ごとの分析レポートでは以前の多くの調査結果をご覧いただけますし、近々公開される予約プロセスに関する調査レポートもお見逃しなく。この調査では、旅行のアイデア探し段階から購入段階まで、旅行者が予約に至るまでの各プロセスについて詳しく調べました。この調査では、最近の旅行者を対象に、どのように旅行の準備を行い、どのようにアイデアを探したかなどを尋ねたアンケートデータと、旅行者が予約前の 45 日間に実際にどのような行動を取ったかを示すデジタルデータの両方を利用しています。今年の夏に発表できるのを楽しみにしています。ご期待ください。当社のさまざまなサイトにアクセスして公開されている各種調査を見る以外のもう 1 つの方法は、私のチームが日々行っている、パートナー様との対話を通じてアクセスする方法です。私たちとの提携を通じて、パートナー様は私たちが発見したさまざまなトレンドについての情報を入手することができます。以上が主な 2 つの方法です。
[00:31:02] ブランドン エアハルト いいですね。予約プロセスに関する調査では、リチャードさんのチームが、旅行者を動かしたものは何かを考えながら、複数のエピソードから全体像を作り上げたという点が素晴らしいですね。個人的には、ロケ地巡りがどのように影響したか知るのが楽しみです。先ほど、お気に入りのテレビ番組や映画が撮影された場所を訪れる旅行者について話しましたが、テレビ番組や映画が動機になった人が増えているのかが気になっています。さて、リチャードさん、本日は大西洋のこちら側まで来てお手伝いいただき、ありがとうございました。近いうちにシアトルに移られるということで、次回は足を伸ばしてビールかコーヒーでも飲みましょう。本日は一緒に MC を務めていただき、ありがとうございました。
[00:31:39] リチャード コッカー どういたしまして。ぜひ。こちらこそありがとうございます、ブランドンさん。シアトルでお会いするのと次回の番組出演を楽しみにしています。とても楽しかったです。
[00:31:47] ブランドン エアハルト ポッドキャスト「旅行ビジネスをサポート」の本エピソードをお聴きいただきありがとうございました。今シーズンのエピソードも残すところ 1 つとなりました。今回のエピソードを気に入っていただけたなら、最後のエピソードもきっとお楽しみいただけると思います。お時間があれば、皆さんのような方にこの番組を知っていただくために評価とレビューをお願いいたします。それから、いただいたメールはすべて読んでいます。メールを送っていただき、ありがとうございます。皆さんのご意見をお聞かせください。ぜひ PoweringTravel@ExpediaGroup.com までメールをお送りください。スペースなしの一語で PoweringTravel@ExpediaGroup.com です。先ほど申し上げたとおり、お時間があれば番組の評価とレビューをお願いいたします。ご視聴ありがとうございました。ポッドキャスト「旅行ビジネスをサポート」シーズン 2 の最後のエピソードでお会いしましょう。シーズン 3 もすぐに始まります。ですが、まずはシーズン 2 最後のエピソードをお楽しみに。エクスペディアがお届けするポッドキャスト「旅行ビジネスをサポート」シーズン 2 最後のエピソードは 2 週間後の公開です。
登場いただいた専門家の皆様
デニス シャール氏
オンライン旅行予約と短期レンタルについての情報発信に力を注いでいます。2016 年には、オンライン旅行予約についての証言を集めた、非常に充実した記録をまとめています。20 年以上にわたってこの分野に関わり、著名なリーダーへのインタビューを行っています。 USA トゥデイ紙で旅行関連のウェブサイトとアプリについてコラムを書いた経験もお持ちです。3 人の子供の父親であるシャール氏は、プエルトリコのリンコンにお住まいです。
リチャード コッカー
Expedia Group 独自の検索データと予約データを調査し、マーケット分析を行ってパートナー様の広告キャンペーン戦略、商品選択、ターゲット設定のための情報を提供するチームの責任者を務めています。サセックス大学の大学院で人類学、ウォーリック ビジネス スクールでは経営学の学位を取得しました。ロンドン郊外のウィンチェスターで家族と暮らしています。
ブランドン エアハルト
Expedia Group の B2B 宿泊施設に関するマーケティング責任者であり、パートナープログラムの拡張に関して重要な役割を果たしてきました。戦略的事業をリードし、収益分析データの利用を広げることでパートナー様の成功を促進しています。妻と旅行好きの子供と一緒にイリノイ州シカゴで暮らしています。
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