ルース リサーチと共同で行った最新の調査で、オンラインで旅行者にリーチし、インスピレーションを与え、心をつかみ、予約につなげる方法をご確認ください。
「多くのバイヤージャーニーと同じように、紆余曲折に満ちています。一本道などではなく、同心円状に進んでいくのです。ネットで旅の情報収集をして、家族と相談します。そしてオンライン旅行会社にアクセスし、検索して、さまざまなホテルを調べるわけです。A 点から B 点にまっすぐ進むという類のジャーニーとはまったく異なります。」
配信内容
「Powering Travel」シーズン 3 がスタート。ゲストに Expedia Group のシェリル ミラー、ゲスト MC にリチャード コッカーを迎え、旅行者がオンラインで旅行の計画を立て予約するまでのプロセスを深掘りします。今回のエピソードでは、私たちが実施した最新の調査を取り上げます。旅行者に影響を与える要素についての解説や、ジャーニーにおけるエンゲージメントの向上に役立つ情報が満載です。
ソーシャルメディア、オンライン広告、ペントアップ需要、旅行者のデモグラフィック属性 (年齢や地域) など、さまざまな要素が旅行者の意思決定に影響を与えている現状を確認するとともに、予約プロセス調査の結果にも触れながら、旅行の予約に与える価格、価値、ロイヤルティの影響について考察します。
調査と分析
旅行者がオンラインで旅行を計画して予約を行うまでのプロセスを徹底解明
トランスクリプトを読む
[00:03:18] リチャード コッカー 予約プロセスでの旅行行動に目を向けると、興味深いことに、検索や予約の方法は旅行者によって千差万別です。では、シェリルに詳しい話を聞いていきましょう。オンライン消費の拡大は旅行者の旅行計画にどのような影響を与えましたか ?
[00:03:37] シェリル ミラー よい質問です。現在はさまざまなデジタルトラッキング機能を利用できるため、旅行者がどのような経路で予約に至るのかが実によくわかるようになりました。アイデア探し、リサーチ、計画、予約のそれぞれの段階における行動を追跡できますし、実際にどのような場所が検索されているかも把握できます。今年の初め、23 年度の有給休暇・国際比較調査の結果を公開しました。ここ 10 年は休暇不足が高止まりしている感があります。ですから、現在旅行者の間にペントアップ需要が高まりつつあります。それに一役買っているのが、彼らがオンラインで利用しているコンテンツです。データによると、旅行者は予約に至るまでに旅行関連コンテンツに 5 時間以上も費やし、オンラインの旅行関連コンテンツを 141 ページ閲覧しています。
[00:04:36] リチャード コッカー コロナ禍が明けて、ペントアップ需要と旅行不足により状況が変わったということでしょうか ?
[00:04:43] シェリル ミラー ええ、そのとおりです。パンデミック以前に旅行不足を感じていたのは 49 ~ 53 パーセントでしたが、現在では 62 パーセントに増加しています。これもよく見られることですが、コンテンツの利用や旅行のリサーチの状況は地域によってさまざまです。日本では 6 時間以上ですが、米国の旅行者は 8 時間以上費やしています。
[00:05:09] リチャード コッカー コンテンツ利用の理由は何なのでしょう ?
[00:05:12] シェリル ミラー 比較検討しているのだと思います。旅行における各段階やその前の段階で、ソーシャルメディアで多くの時間が費やされています。旅行のリサーチにおいて、ソーシャルメディアは初期の段階で非常に大きな役割を果たします。また、家族や友人との会話からひらめきを得た多くの旅行者が、オンライン旅行会社 (OTA) にアクセスし、さまざまな場所、ホテル、バケーションレンタルなどの比較検討を行います。Expedia Group が面白いのは、バケーションレンタル、ホテル、航空会社、レンタカー、クルーズなどの予約項目別に予約者の行動の違いを調べ、ファーストパーティー データを独自の視点でとらえられることです。この実にユニークな情報セットをパートナーに提供し、活用してもらえば、マーケティング活動を改善できるはずです。
[00:06:16] リチャード コッカー シェリル、旅行者は予約プロセスの中でたくさんのコンテンツにアクセスしますが、これまでどのようなサイトが利用されていましたか ?
[00:06:24] シェリル ミラー もちろん OTA です。Expedia Group にとってはよいことです。オンライン旅行代理店は、予約に至る各段階でよくアクセスされるサイトの上位に入ります。旅行者の 80 パーセント以上は、旅行の予約を行う前のいずれかの時点で OTA を利用しています。これは、旅行者が最終的に別のサイトで予約する場合でも、アイデア探しやリサーチ、計画のために OTA を利用する可能性が高いことを示しています。いつも言っていることなのですが、興味深いことに、旅行者の大半が検索エンジンとソーシャルメディアを併用しているのです。マーケターにとって、これはとても重要です。早い段階から、ソーシャルメディア上で自身のプレゼンスを示す必要があります。
[00:07:11] リチャード コッカー ここまでお話しいただいたことについて、あなたご自身の場合ではどうですか ?
[00:07:15] シェリル ミラー 私の予約プロセスはいつも決まっています。まず OTA にアクセスして、直行便で行ける場所を検索します。次にホテルや、やってみたいアクティビティをいろいろとリサーチし、選択肢を絞り込みます。その時点で、家族や友人と相談します。旅行のスケジュールが決まったら、後日あらためて Expedia Group で予約します。多くの旅行者が同じやり方だと思います。予約プロセス調査では、50 パーセント以上の旅行者が旅行関連のリサーチを始めるまで行き先を決めていないことがわかりました。アイデア探しの段階は、宿泊施設、目的地、アクティビティを宣伝したいパートナーやブランドにとって特に重要です。検索エンジン、OTA、ソーシャルメディアなど媒体を問わず、事前にプレゼンスを高めておくことが非常に重要です。
[00:08:13] リチャード コッカー プロセスとしては、まっすぐな一本道ではないということですね。ファネルやプロセスのさまざまな変動要素についてもう少し詳しくお話いただけますか ?
[00:08:22] シェリル ミラー はい。多くのバイヤージャーニーと同じように、紆余曲折に満ちています。一本道などではなく、同心円状に進んでいくのです。オンラインで見たものにインスピレーションを得ます。それについて、家族と相談します。OTA にアクセスして、さまざまなホテルを検索し、リサーチします。A 点から B 点にまっすぐ進むという類のジャーニーとはまったく異なります。
[00:08:51] リチャード コッカー 旅行者が当初考えていた目的地をやめて、最終的に別の場所を予約することになる頻度はどの程度だとお考えですか ? 調査でよく取り上げられるテーマですよね ?
[00:09:04] シェリル ミラー 予約をやめるかどうかは、アイデアの出どころによると思います。ホテルのウェブサイトやアプリで予約する旅行者のうち、61 パーセントがジャーニーの途中で OTA にアクセスしています。同じように、航空券購入者の 52 パーセントが OTA にアクセスしています。ですから、アイデアの出どころ次第、あるいは、さまざまなサイトで目にしたメッセージや機会次第ではないかと思います。
[00:09:39] リチャード ミラー なるほど。そうですね。私自身の体験をふまえてもそう思います。平均的な予約プロセスの長さは、私たちの調査によると 71 日です。旅行サービス提供会社はこの期間に自分たちを選んでもらいたいわけですが、旅行者に何らかの影響を与えるにはどうすればよいですか ?
[00:09:56] シェリル ミラー それについては今回の調査で答えが出ています。旅行者が予約プロセスの諸段階でアクセスするさまざまなサイトを比較したところ、OTA やブランドホテルなどを抑え、ソーシャルメディアが抜きん出ていました。旅行者は多くのサイトやチャネルにアクセスするため、マルチチャネルのアプローチでマーケティングを行うことが重要です。
[00:10:27] リチャード コッカー なるほど。私たちのメディアソリューション部門はその分野に長けていますよね。そのようなアプローチにおいて、メディアソリューションはどのような役割を担っていますか ?
[00:10:37] シェリル ミラー メディアソリューション、広告プラットフォームと言ってもいいですが、さまざまなオプション全体で存在感を示すには、旅行者がアクセスするであろう場所に旅行関連のコンテンツを配置して宣伝することが基本になります。回答者の 20 パーセント以上が、予約の意思決定に広告が影響すると答えています。実際の数値はもっと高いと思います。私たちのメディアソリューションには、ディスプレイ広告、TravelAds、手数料調整などがあり、旅行サービス提供会社はこうした機能を活用してメージを伝えたり、ユニークな旅行オプションを提示したりして、エクスペディアにアクセスしている旅行者に宿泊施設を見つけてもらいやすくしています。
[00:11:23] リチャード コッカー 前シーズンのあるエピソードに私が出演したときにも、データの重要性や、先ほどシェリルが指摘した点に関連するテーマについてお話ししました。シェリル、データの重要性といえば、私たちにはクリエイティブなソリューションがありますね。データを用いてよりインテリジェントに画像を展開することで、旅行者がどこで広告を目にし、コンテンツに反応したのかを、世界規模かつマーケットごとに把握できます。
[00:11:47] シェリル ミラー ええ。Expedia Group では、予約プロセス調査などのサードパーティー データに加えて、自社サイトのファーストパーティー データを利用できます。私たちは、サイトを利用する両サイドに最高の体験を提供しようと努めています。旅行者が求めるものを確保し、それを簡単かつ優れた方法で提供して、最小限の労力で最大限の体験や目的地が見つかるようにしています。さらに、パートナーと連携して、旅行者にリーチする方法を最適化しています。広告、コーチング、割引のタイミングや美しい画像の配置方法に関するサポートなど、これらはすべて旅行者とパートナーの両方にとってメリットがあります。
[00:12:45] リチャード コッカー そうですね。それに関連して次の質問です。旅行予約の意思決定を促す要因について理解を深めるには、旅行サービス提供会社はどのようなデータポイントや分析に注目すべきですか ?
[00:12:56] シェリル ミラー 私たちが行う調査では、いつも旅行者の行動と動機に注目します。この調査は私たちが継続的に取り組んでいるもので、旅行者を分析して各種レポートにまとめています。「Traveler Value Index」というレポートでは、今回のテーマである予約プロセスについて分析しています。予約プロセスを調べれば、ショッピング ジャーニーを通じて旅行者がどのように影響を受けるかがわかります。先ほど言ったように、旅行者はさまざまな方法で動機付けされます。目的地や予約先を検討していると、友人や家族との会話の中で、あるいはソーシャルメディアを通じてなど、さまざまな選択肢や機会が浮上してきます。旅行者は一般に、比較検討して自分にとって最も価値が高いものを選ぼうとします。地元のイベントを活用するパートナーが増えてきていますが、旅行者にはどのようなアクティビティが好まれるでしょうか ? 地元ならでは、文化に触れる、といった体験は旅行者にとって非常に魅力的です。
[00:14:00] リチャード コッカー そうですね。旅行の予約に関する嗜好はさまざまあると思いますが、旅行サービス提供会社は特にどのようなことを考慮すべきでしょうか ?
[00:14:06] シェリル ミラー 旅行者は、旅行を予約する際にさまざまなことを検討しています。私たちの調査によると、予約する旅行ブランドを決める際、旅行者にとって最も重要なのは当然ながら価格です。これはいつの時代も変わりません。また、旅行者は自分にとって最も価値の高いものを選ぼうとします。それが何なのかは、予約する旅行者によって千差万別です。次に重視するのは、旅行についての調べものや予約が簡単にできるかどうかです。旅行者の 43 パーセントが、重視するポイントとしてウェブサイトの使いやすさをあげています。明朗会計で隠れた費用が発生しないことも重要です。旅行者の 32 パーセントが隠れた費用の有無を前もって知っておきたいと答えており、それによって予約に至らなかったケースや、あとになって隠れた費用に気づいた経験があるそうです。ほかには、過去に利用した際の満足度も重要です。旅行者の 31 パーセントが、過去に利用して満足度の高かった人の意見や感想を参考にしています。そのような高い評価が、泊まりたい場所や、利用したいホテル、バケーションレンタル、航空会社などの選択を後押しするのです。
[00:15:25] リチャード コッカー ええ、おっしゃるとおりです。旅行者が求めるのは価値、使いやすさ、透明性。そのとおりだと思います。他人の体験談は、意思決定のプロセスにとても大きな変化をもたらします。
[00:15:41] シェリル ミラー ええ。ホテルやバケーションレンタルなどの宿泊施設は、旅行の評価と強く結びつきます。自分が気になる宿泊施設に泊まった人の意見や感想が、意思決定の大きな判断材料になるわけです。ですから、口コミは非常に重要です。
[00:16:03] リチャード コッカー はい。そうですね。では次にいきましょう。旅行サービス提供会社の広告戦略について見ていきたいのですが、まずは調査方法についてお聞かせください。
[00:16:13] シェリル ミラー 予約プロセス調査では、5,600 人の回答者と 7 万人のデジタルパネル参加者を対象にアンケートを実施しました。結果をまとめたところ、旅行の予約に至るまでの経路が実によくわかりました。最初の質問で、オンライン消費にどのような変化が起きているかについて話しましたが、ネットであれこれできること自体はとてもすばらしいと思います。私たちが入手したデータや情報をパートナーに活用してもらうことで、旅行者に最高の体験をお届けできるようになります。また、この調査結果はシアトルの Explore Connect、バルセロナの Explore Connect、ラスベガスのバケーションレンタル パートナー向けには EXPLORE Fest で発表しました。反応は上々で、データは好意的に受け入れられました。メッセージやマーケティング戦略に力を入れ、旅行者によりよい体験を提供する一助になればと思います。先ほどの質問にもありましたが、パートナーが知りたいのは、回答者のデモグラフィック属性、年齢層、居住地などです。情報源となる個人旅行者の構成にも興味があるでしょう。パートナーは私たちに対し、販売、収益向上、サービス管理に関する各種サポートも求めています。基本的なものとしては、さまざまな世代の旅行者にみられる行動の差別化があります。これらすべてのデータを提供したところ、反応はとてもよかったです。ただ、もっとデータが必要です。マーケティングの強化、旅行者へのよりよい体験の提供、旅行関連のリサーチや予約にかかる時間の短縮につなげる方法として、ほかにどのようなものがありますか ?
[00:18:19] リチャード コッカー パートナーの感覚では、私たちの調査は始まったばかりです。知ってのとおり、これは大きな可能性が残されているということでしょう。
[00:18:25] シェリル ミラー Expedia Group は、以前と比べてテクノロジー企業とみなされる向きが強くなっていると思います。私たちが単なる OTA ではなくて、私たちが提供する膨大なデータとテクノロジーがパートナーにとってきわめて貴重だからです。
[00:18:43] リチャード コッカー 私もそう思います。私のチームでは終始データを扱っています。予約プロセス調査の結果はパートナーや業界のリーダー企業にとってかなり貴重だと思います。データとしては、パートナーレベルのものもあれば、地域レベルのものもあります。予約プロセス調査の結果からデータを引き出せば、さまざまな広告主や旅行者のためにより詳細な像を描けます。それが重要です。データや技術を扱う私たちの役割はとても重要です。旅行者の予約プロセスや予約に関する意思決定において、ロイヤルティはどのような役割を果たしますか ?
[00:19:22] シェリル ミラー 予約に関する意思決定において、ロイヤルティはとても大きな役割を果たします。興味深いことに、旅行会員プログラムの会員の 79 パーセントが、自身が会員になっているブランドで予約することが重要だと感じています。数年前に実施した調査によると、約 80 パーセントが一度も特典を獲得したことがありません。旅行者の 79 パーセントが自身が会員になっているブランドで予約することが重要だと言っているのに、80 パーセントが一度も特典を獲得したことがないのです。ただ、旅行回数が少ない場合や、複数のブランドの会員になっている場合があるので、不完全なデータではあります。特典を獲得できるほど、特定のブランドで何度も旅行しているわけではない場合もあるでしょう。だからこそ、One Key や私たちのロイヤルティ会員プログラムはすばらしいのです。ホテル、バケーションレンタル、航空券、レンタカーなど、エクスペディアで予約するものすべてが特典の獲得と利用の対象になり、予約して獲得した OneKeyCash を次の旅行で使うことができます。しかも、使い方の自由度が高い。特典はより早く獲得できるようになり、旅行者が使いたいように使えるという特徴があります。
[00:20:51] リチャード コッカー ロイヤルティを高めるために、利用する際の自由度や柔軟性を高めたわけですね。
[00:20:59] シェリル ミラー 旅行者会員プログラムの会員の 3/5 が、自身が会員になっているブランドで予約したいと言っています。このような使い勝手の良さは旅行者だけでなく、パートナーにもメリットがあります。これはそのための投資なのです。
[00:21:23] リチャード コッカー パートナーが Expedia Group の外でもロイヤルティを高めたいと考えた場合、私たちのエコシステム内でそれができてしまうというわけですね。
[00:21:31] シェリル ミラー はい。補完としては申し分ないかと。特典を獲得するに至らない平均的な旅行者が、旅行計画にさまざまな要素を柔軟に盛り込めるようになります。
[00:21:47] リチャード コッカー 調査結果の 1 つに、一直線に進むわけではなく、予測しづらいというものがありました。動くわけです。先ほどおっしゃていたように、同心円状に動きます。たった 1 つの小さなスキームやプロバイダーに頼るのはもはや厳しいといえます。予約プロセスという文脈では、エクスペディアなどの OTA を通じて柔軟性を高めることが非常に効果的です。
[00:22:09] シェリル ミラー パートナーには独自の会員プログラムがあると思いますが、私たちも One Key を通じて大きな機会を会員に提供しています。メリットとしては、パートナーは会員限定価格やプロモーションを展開することで露出度を高め、旅行者を引きつけて予約につなげることができます。独自の会員プログラムを展開するにせよ、One Key プログラムを活用するにせよ、パートナーにはメリットがあります。
[00:22:48] リチャード コッカー 二重戦略というわけですね。では、続いて地域や分野についてうかがいます。先ほども触れましたが、地域にはいくつもマーケットがあり、私たちはそこでパートナーと連携しています。それらのマーケットや世界規模のデータを用いて、旅行者の予約プロセスに対する理解を深めることができます。調査で得られた地域的なデータについてもう少し詳しく教えてください。
[00:23:11] シェリル ミラー はい。調査は 7 か国で実施し、地域によっていくつかの有意な差が見られました。予約プロセスの段階や利用するオンラインサイトにも小さな差が見られました。たとえば、フランス人旅行者の 23 パーセントは、広告が旅行の予約に関する意思決定に影響を与えると答えています。世界平均では 19 パーセントです。また、フランス人旅行者の 90 パーセントが予約プロセスにおいて OTA にアクセスしています。世界平均の 80 パーセントより、やや高い数値です。英国では、旅行者の 80 パーセントが予約プロセスにおいて OTA にアクセスしています。世界平均の 80 パーセントより高い数値です。このように、地域によって小さな差がいくつか見られます。もう少し大きな差を見ると、米国では旅行関連コンテンツを利用する時間が平均よりも多くなっています。コンテンツの利用時間は 524 分。平均は 300 分です。大きな差ですね。米国人旅行者は、予約の前にウェブサイト、広告、コンテンツの閲覧により多くの時間をかけています。米国人旅行者には、何らかの会員になっている人が多いという傾向もあります。米国人旅行者の 66 パーセントが何らかの会員になっています。平均は 43 パーセントです。米国では、One Key に参加し、会員限定プロモーションを行うことが AMEA のほかの国に比べて 20 パーセント以上も重要です。メキシコ人旅行者には、広告に影響を受けやすい人が多いという傾向があります。平均 20 パーセントのところ、メキシコでは 40 パーセントとなっています。旅行の予約に対して、広告が大きな力を発揮するといえます。APAC では、日本人旅行者の予約プロセスはかなり短いですね。予約に至るまでの平均日数は 71 日ですが、日本では 45 日以内です。日本でビジネスを成長させたいなら、ソーシャルメディア、メタサーチ、OTA、ブランドなどから短期間で旅行に誘導する方法を検討しましょう。
[00:25:49] リチャード コッカー これらのマーケットでこうした違いが生じる理由は何でしょう ? 答えを出すには情報が少なすぎるでしょうか ?
[00:25:56] シェリル ミラー 文化的なものだと思います。友人や家族の旅行スタイル、社会的な背景や環境。そうしたものが大きく影響すると思います。また、AMEA では国内旅行や越境旅行の件数が多く、米国では海外旅行に相当するような遠方への旅行が多いと思います。これは私の仮説であり、レポートには載っていません。ですが、社会的環境、文化、周囲の状況が影響するのではないかと考えています。
[00:26:40] リチャード コッカー 今回の調査結果には追究すべき点がたくさんありますが、いずれにしても、文化的な体験や周囲のさまざまな要素などの一切合切が影響するのでしょうね。意思決定に影響を与える要因が、予約プロセス以外にも無数にあるわけで。
[00:26:53] シェリル ミラー ええ。米国で、たとえばシアトルからカリフォルニア、テキサス、フロリダ、ニューヨークに旅行した場合、英国からフランスやドイツへの旅行に相当するのです。まったく異なる体験ではありますが。個人的に、海外に行ってみたいとずっと思ってきました。しばらく英国に住んでいれば、ヨーロッパ中を旅できますから。
[00:27:24] リチャード コッカー 同じように、米国にはさまざまな州があり、比較的簡単に移動できます。国内に見どころがたくさんあるわけです。前回のエピソードでも言ったように、ワシントン州に引っ越してきて、少しずつ慣れてきましたが、それでも州内には探索したい場所が尽きません。
[00:27:38] シェリル ミラー 予約プロセス調査の結果や、さまざまなイベントでのパートナーとの会話を通じて、私たちはパートナーが成果を上げられるように支援しています。予約プロセスの初期段階でソーシャルメディアが広く利用されていることや、インフルエンサーが持つ影響力を理解することが大切です。画像や広告もそうですね。人は美しい写真や明確なメッセージに強く引かれます。プロセス全体で OTA が広く利用されていることや、旅行についてリサーチ、計画、予約する際に OTA がどの程度活用されているかを理解することも大切です。Expedia Group とはさまざまな方法で連携できます。One Key、会員限定プロモーション、サイトへの広告掲載などを通じて、画像を目立つ場所に配置したり、露出度を高めたりできます。これらはすべて、パートナーによるよりよい旅行体験の提供を支援するための施策です。
[00:28:58] リチャード コッカー そうですね。私のチームでは、パートナーと話す際のコンサルティングをやっています。シェリル、最後の質問です。最後に予約した目的地について聞かせてください。その目的地を選ぶに至った予約プロセスについて教えてもらえますか ?
[00:29:15] シェリル ミラー 最後に旅行したのはオーストラリアのシドニーです。長い付き合いの友人の結婚式でした。予約プロセスはかなり細切れです。ソーシャルメディアを見て、オンラインの Expedia Group にアクセスして、さまざまな宿泊施設をチェックしました。航空会社もいろいろ見ましたが、最終的に友人たちとまとめて手配することになりました。予算の範囲内で機会や宿泊施設、やりたいことなどをリサーチしました。
[00:29:54] リチャード コッカー では、2024 年の予定は ? 次の旅行は計画していますか ? また、来年を迎えるにあたり、Expedia Group やビジネス関連で楽しみにしていることは何ですか ?
[00:30:05] シェリル ミラー それはもちろん、ラスベガスで開催される次回の EXPLORE ですね。製品発表がありますので。パートナーとともに遂げてきた進化を見てもらう場でもあります。毎回楽しみなイベントですが、次回の目玉は旅行会社向けアフィリエイト プログラムの拡大です。会員特典が増えます。旅行代理店の購買体験と決済猶予を引き続き差別化していきます。予約率の高い旅行代理店は、ビジネスを成長させ、拡大する旅行需要に応えることがこれまで以上に容易になります。
[00:30:51] リチャード コッカー ええ、すばらしいことです。本当に。シェリル、本日はありがとうございました。旅行者の予約プロセスに関するデータや調査まわりのことで一緒に仕事ができるのを楽しみにしています。
[00:31:03] シェリル ミラー ありがとう、リチャード。お招きいただき、ありがとうございました。楽しかったです。
[00:31:09] ブランドン エアハルト 日頃からデータを扱う者として、今回のレポートをどのようにとらえていますか ? また、パートナーにとどまらず、旅行業界全体にどの程度の価値をもたらすと思いますか ?
[00:31:19] リチャード コッカー そうですね、すばらしいレポートだと思います。業界にとって有意義な知見に満ちています。少し矛盾するようですが、このレポートは広範かつ詳細でありながら、予約という実に複雑なプロセスをとてもシンプルにしています。一直線には進まないプロセスだということを裏付けし、構造化した点で、すばらしい成果だと思います。パートナーにとっては、予約プロセスのファネル / ワークフロー全体でビジネスが担う役割についてより深く考えるきっかけになるのではないでしょうか。旅行者や見込み顧客にリーチし、意思決定に導く方法をチューニングするための一助にしていただければと思います。予約プロセスに関する情報が満載ですので。
[00:32:01] ブランドン エアハルト リチャード、最後にレポートの入手方法について教えてください。
[00:32:05] リチャード コッカー はい。詳細なレポートを複数言語でご用意しています。興味のあるリスナーは、Partner.ExpediaGroup.com にアクセスし、検索バーに「予約プロセス」と入力してください。検索エンジンで「予約プロセス」と検索するだけでもヒットすると思います。
[00:32:26] ブランドン エアハルト ありがとうございます。ただ、もっと簡単に入手できるようにする予定です。エピソードの説明欄にリンクを貼り、リスナーがその場で入手できるようにします。リチャード、あらためてありがとう。2 回目の MC、お疲れ様でした。 シーズン 4 でもまたお願いします。今回のエピソード、聞きごたえのある内容になったと思います。毎度のことですが、ポッドキャストの感想などを PoweringTravel@ExpediaGroup.com までお送りください。PoweringTravel の綴りは一続きです。お時間のある方は、ぜひ評価やレビューをお願いします。皆さんのような方にこの番組を知っていただくためです。お聞きいただきありがとうございました。Expedia Group がお届けする「Powering Travel」ポッドキャスト。次のエピソードでまたお会いしましょう。
プレゼンターのご紹介
シェリル ミラー
シェリルは、Expedia Group でパートナー マーケティングの取り組みを主導しており、パートナーとのつながりの構築やパートナーのビジネスの成長と影響力の拡大に力を注いでいます。マイクロソフト、F5、シマンテックのマーケティング部門や商品部門においてリーダーシップ職として 20 年以上の経験を積み、最近までは、向学心の促進に特化した教育テクノロジー企業のプロメシアンで CMO を務めていました。
リチャード コッカー
Expedia Group 独自の検索データと予約データを調査し、マーケット分析を行ってパートナーの広告キャンペーン戦略、商品選択、ターゲット設定のための情報を提供するチームの責任者を務めています。サセックス大学の大学院で人類学、ウォーリック ビジネス スクールでは経営学の学位を取得。最近、家族でシアトル地区に引っ越しました。
ブランドン エアハルト
Expedia Group の B2B 宿泊施設マーケティングの責任者であり、パートナープログラムの拡張に重要な役割を果たしてきました。戦略的イニシアティブをリードし、収益分析データの利用を促進することでパートナーの成功を支援しています。妻と旅行好きの子供と一緒にイリノイ州シカゴで暮らしています。
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