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新たな調査で、アジアのマス富裕層の旅行者が世界の旅行業界を後押しする見通しが明らかに

Expedia Group の最新の調査で、アジアのマス富裕層の旅行者のトレンドと嗜好が明らかに。この新たな旅行者層について理解を深め、ニーズに合った旅行商品を提供しましょう。

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Greg Schulze

世界経済フォーラムによると、アジアの中間層は 2030 年には 35 億人に増加し、世界の中間層の 3 分の 2 を占めるようになると予測されています。この活況を呈するアジア市場への参入を支援するため、弊社ではこのほど、Atomik Research 社の協力を得て新たな調査を実施。結果、アジア人旅行者の最新トレンドに関する貴重なインサイトが明らかになりました。

 

この調査では、アジアの主要国 (中国、インド、インドネシア、シンガポール、およびベトナム) のマス富裕層 (可処分所得のある中間層) の回答者 4,000 人を対象にアンケートを行いました。現在増加しつつあるこの旅行者層にいかにアピールするかを理解するためにお役立てください。


1. インフレでも、アジア人の旅行意欲は衰える兆しがない


今回の調査で特に関心があったのは、アジア諸国におけるインフレ率の上昇が旅行に与える影響です。

 

回答者の 81% がインフレでも旅行は依然として優先事項であると回答していることから、経済的な課題にもかかわらず、旅行に対する意欲はアジア全域で依然として高いことがわかります。多くの人にとって、旅行は物質的な商品よりも重要であり、回答者の 39% が新車やリフォーム、電化製品といった大きな買い物よりも旅行を優先すると答えています。

 

また旅行者は、今後 1 年間に収入の 4 分の 1 近くを旅行に費やす予定で、その多くはホテル、ツアー、アクティビティといった旅行商品に集中しています。


81% 

のアジア人旅行者が、インフレでも旅行を優先



インフレがアジア人旅行者の旅行意欲に影響を及ぼしていないとはいえ、回答者の 75% が依然としてお得な情報や割引、パッケージを求めると答えていることから、競争力を維持するためにはプロモーションが不可欠であることに変わりはありません。会員限定プロモーションを検討しているホテルも、ロイヤルティ プログラムの向上を目指す航空会社も、インフレに配慮して旅行者のニーズに応える割引やプロモーションを提供することで、意欲の高い旅行者層の予約を獲得することができます。

2. アジア人旅行者の間で、長距離かつ複数都市を回る旅行の人気が高まっている


アジア人旅行者の間では、長距離旅行の人気が高まりつつあり、日本、アメリカ、カナダ、フランス、韓国、オーストラリア、ドイツが人気の旅行先となっています。事実、今回の調査で半数以上 (51%) が今後 12 か月以内に西ヨーロッパへの旅行を、46% が北米への旅行を予定していると回答しています。

 

国別に詳しく見ると、旅行期間と目的地の数に大きな違いが見られました。インドからの回答者の多くが 5 都市以上の訪問を予定しているのに対し、シンガポール、中国、インドネシア、ベトナムではその数は 4 都市以下になっています。




51%

のアジア人旅行者が今後 12 か月以内に西ヨーロッパへの旅行を、46% が北米への旅行を予定

72%

のアジア人旅行者が、予約にエクスペディアなどのアプリを利用


インドの回答では、次の海外旅行はなんと平均 14 日間で 5 都市を回るというように、旅行を存分に楽しもうという意欲が感じられ、一方ベトナムの回答では平均 8 日間で 4 都市を回るという結果になっています。

 

この新たな旅行者層を予約につなげるには、旅行会社は、こうした旅行者の目に留まるところに自社の旅行商品を掲載する必要があります。マーケティング ソリューションの一種である露出度を高める機能を活用すると、自社のサービスをより多くの旅行者にアピールして、競合施設との差別化を図ることができます。弊社では、航空会社向けのフライトのリスティング広告やホテル向けの掲載順位向上ツールといった機能をご利用いただけます。




3. アジア人旅行者は、予約に旅行会社と旅行プラットフォームの両方を使用している


弊社のデータによると、アジア人旅行者は厳選のうえ十分に計画された旅行体験を求めています。回答者の 3 分の 1 以上が旅行会社に頼っていると同時に、大多数 (72%) が予約時にエクスペディアなどのアプリを利用していると答えています。

 

その内訳は以下のようになっています。


70%

がアプリを使って航空券を予約

73%

がアプリを使ってホテルを予約

52%

がアプリを使って現地ツアーを予約

41%

がアプリを使って旅程を作成


ロイヤルティ プログラムも引き続き旅行者にとって大きな魅力であり、回答者の 86% がロイヤルティ プログラム (航空会社、ホテルブランド、金融機関、オンライン旅行会社のいずれか) の会員であると回答しています。このような旅行者は、こうしたプログラムのコンテンツやチャネルで特典を宣伝したり、会員限定プロモーションVIP Access といったプログラムを利用して予約プロセス全般にわたって限定の割引や特典、ポイントを提供することで、予約に導くことができます。

4. ニーズに合った旅行商品の提供が、アジア人旅行者の獲得につながる


アジア人旅行者の数が増加するにしたがい、世界の旅行トレンドに及ぼす影響力も増大しています。弊社の調査によると、アジア人旅行者は、インフレに対抗するお得なプロモーションを求める傍ら、次のような上質な体験にも関心を持っていることがわかります。

 

  • 53% が贅沢な設備やサービスに興味を示している
  • 52% が体験型のツアーやアクティビティに興味を示している
  • 40% が異文化体験に興味を示している
  • 39% がガイド付きツアーに興味を示している
  • 31% がミシュランシェフのいるホテルに興味を示している


アジア人旅行者の半数以上が、贅沢な設備やサービスと体験型のツアーやアクティビティの予約に興味を示している



アジア人旅行者が宿泊施設に求める設備やサービスは国によって異なりますが、今回の調査では、無料送迎 (91%)、ペットボトル飲料水 (90%)、歯ブラシ (87%) など、いくつかの共通点が見られました。またインドとインドネシアからの旅行者は、無料の朝食、シャンプーとリンス、送迎をより重視しています。

 

この結果は、旅行会社が、思い出に残る旅をしたいというアジア人旅行者の期待に応える優れた旅行商品を構築するために役立ちます。この新たなインサイトにより、パートナーの皆様は、アジア人旅行者の嗜好の変化に基づいてターゲットを微調整し、各国の旅行者のニーズに合った商品を提供することができます。このとき、旅行者が必要な情報をすべて得たうえで判断できるように、提供する設備やサービス、ツアーやアクティビティが十分に宣伝され、また最新の情報が掲載されるようにすることが重要です。



5. アジア人旅行者へは、旅行計画の初期段階で商品をアピールするのがカギ


アジア人旅行者は旅のアイデアを求めており、30% が旅行を予約する前に行き先を決めかねていると回答しています。

 

Expedia Group の旅行メディアネットワークでは独自データを活用して、カスタマイズされた広告戦略を提供しています。ブランドはデータに基づく戦略に従って、ターゲットを絞った、旅行者の心に響くキャンペーンを、旅行者が旅のアイデアを求めて最も影響を受けやすいタイミングで展開することができます。こうしたアプローチは、エンゲージメントの向上だけでなく、旅行者の目的地選択を効果的に導くためにも効果的です。急成長するアジアの旅行市場に向けてキャンペーンを開始するのは、今こそが絶好のタイミングです。



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世界中の旅行者がどのように行き先を決めて旅行を計画・予約しているか、最新のさまざまな調査結果をご覧ください。

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*このページ内の各種引用データの出典 (別途注釈がある場合を除く) : Expedia Group、マス富裕層アジア人旅行者の動向調査、2024 年

Expedia Group は Atomik Research 社に依頼して、中国 (800 人)、インド (800 人)、インドネシア (800 人)、ベトナム (800 人)、シンガポール (800 人) の計 4,000 人のマス富裕層成人消費者を対象にアンケート調査を実施しました。全サンプルの許容誤差は ±1.6% で、信頼水準は 95% です。5 つの各市場内の国別データポイントの許容誤差は ±3.5% で、信頼水準は 95% です。調査期間は 2024 年 8 月 30 日 ~ 9 月 10 日です。サンプルは、今後 12 か月以内に旅行をする、または旅行を検討している成人のうち、自国の平均所得より ±10% 以上高い所得がある人々で構成されています。すべての参加者は、英語、インドネシア語、ベトナム語、簡体字中国語に翻訳されたオンラインアンケートにアクセスして回答しています。Atomik Research 社は 4media グループの一員である独立系市場調査会社です。

 

回答によると、中国の回答者の年齢は 18 ~ 62 歳 (平均 34.68 歳、標準偏差 6.90) です。インドの回答者の同年齢は 18 ~ 76 歳 (平均 34.46 歳、標準偏差 9.89) です。インドネシアの回答者の同年齢は 19 ~ 80 歳 (平均 35.62 歳、標準偏差 8.36) です。シンガポールの回答者の同年齢は 18 ~ 77 歳 (平均 38.91 歳、標準偏差 10.97) です。ベトナムの回答者の同年齢は 18 ~ 69 歳 (平均 33.79 歳、標準偏差 7.86) です。

 

回答者は本人が回答した収入に基づいて、A. 中所得層、B. 中高所得層、C. 高所得層の 3 つのグループに分類されました。

 

「中所得層」は、各国の平均所得のおよそ ±10% の範囲と定義されています。所得が ¥236,000 ~ ¥290,000 であると回答した中国の回答者は中所得層に分類されています。所得が ₹489,00 ~ ₹598,000 であると回答したインドの回答者は中所得層に分類されています。所得が Rp32,400,000 ~ Rp39,700,000 であると回答したインドネシアの回答者は中所得層に分類されています。所得が S$66,300 ~ S$81,000 であると回答したシンガポールの回答者は中所得層に分類されています。所得が ₫76,600,000 ~ ₫93,600,000 であると回答したベトナムの回答者は中所得層に分類されています。

 

「中高所得層」は、各国の平均所得 +10% にあたる所得額を超えるものの、世帯所得上位 10% のしきい値には満たない範囲と定義されています。所得が ¥290,001 ~ ¥377,000 であると回答した中国の回答者は中高所得層に分類されています。所得が ₹598,001 ~ ₹1,410,999 であると回答したインドの回答者は中高所得層に分類されています。所得が Rp39,800,000 – Rp540,900,000 であると回答したインドネシアの回答者は中高所得層に分類されています。所得が S$81,001 ~ S$281,999 であると回答したシンガポールの回答者は中高所得層に分類されています。所得が ₫93,700,000 ~ ₫740,900,000 であると回答したベトナムの回答者は中高所得層に分類されています。

 

最後に、上位 10% の所得層は、各国の世帯所得上位 10% のしきい値を満たすまたは超える所得を報告した回答者で構成されています。世帯所得が ¥377,001 以上であると回答した中国の回答者、₹1,411,000 以上であると回答したインドの回答者、Rp540,000,000 以上であると回答したインドネシアの回答者、Rp540,000,000 以上であると回答したシンガポールの回答者、および ₫741,000,000 以上であると回答したベトナムの回答者は、このカテゴリーに分類されています。