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最新の調査結果 : スポーツツーリズムで大勝利を収める方法

スポーツ観戦を目的とする旅行者は何を求めているのでしょうか ? これらの旅行者を対象にアンケートを実施し、需要の高まりに合わせて旅行ブランドが旅行者にリーチする方法を探りました。

author
Greg Schulze

遠方まで足を延ばすことも厭いません。ファンの情熱と休暇を組み合わせたスポーツツーリズムは、旅行サービス提供会社に大きなビジネスチャンスをもたらします。強力な作戦を立てることで、競合他社に差をつけ、スポーツファンにとって忘れられない体験を生み出すことができます。

 

スポーツツーリズムは交通事業者や宿泊施設に対する需要の高まりにもつながり、開催都市の経済を活性化させます。世界観光機関によると、現在、スポーツイベントに関連する旅行は世界の観光支出の 10% を占めています。スポーツイベントに関連する観光支出は 2023 年には 5,600 億ドルを突破しており、Skift の予測では 2032 年に 1 兆 3,000 億ドルに到達する見込みです。2026 年の FIFA ワールドカップや、イタリアとロサンゼルスで開催されるオリンピックなど、世界的なビッグイベントが予定されている今、スポーツツーリズムの勢いは衰える気配がありません。

 

このトレンドについてさらに詳しく調べるため、Censuswide の協力を得て、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、日本、メキシコ、アメリカ、イギリスでアンケートを実施し、直近 12 か月間にスポーツイベントを目的とする旅行を行った 2,000 人から回答を得ました。その回答から、旅行者がイベントを中心としてどのように休暇を計画しているのか、またスポーツ観戦を目的として旅行する際に何を重視しているかが明らかになってきました。

 

この記事では、スポーツ観戦を目的とする世界の旅行者から得られた新たな知見を掘り下げ、この需要の高まりに自社のビジネス戦略を適応させるにはどうすればよいかを探ります。



短期の旅行と長期の旅行


旅行の目的は、1 回の試合の場合も、数日にまたがるイベントの場合もあります。


51%

スポーツイベントを目的とする直近の旅行での試合観戦は 1 回のみと回答した人の割合。¹

62%

スポーツ観戦を目的とする直近の旅行の期間は 2 ~ 6 日間と回答した人の割合。


回答者の半数以上が、スポーツイベントを目的とする直近の旅行で試合を 1 回のみ観戦したと答えていますが、一方で 2 ~ 4 日間にわたって開催されるイベントのために旅行した人も 37% に上っています。

 

旅行の全行程について尋ねると、回答者の過半数 (62%) がスポーツ観戦を目的とする直近の旅行は 2 ~ 6 日間だったと答えていますが、1 週間以上の旅行を行った人も 17% に上ります。旅行期間などによってターゲットを効果的に絞ることができるように、弊社のデジタルメディアの専門家は、適切な広告ソリューションを選ぶためのアドバイスを提供しています。




遠方まで足を延ばすことを厭わないスポーツファン


ぜひとも生で観戦したいスポーツイベントがあれば、ファンは平均的な旅行期間しかなくても海外へと出かけて行きます。


44%

スポーツイベントを目的とする直近の旅行が海外旅行だった人の割合。²


スポーツイベントを目的とする直近の旅行が海外旅行だった人の割合は、44% に上ります。若い世代ではこの割合がさらに高く、16 ~ 34 歳では 56% が海外に出かけています。また、海外旅行をする傾向が特に強い、カナダ (62%)、ドイツ (58%)、フランス (57%) のような国も確認されました。

 

海外旅行市場を開拓し、若い世代の消費者にリーチする方法のひとつに、トラベルショップがあります。トラベルショップでは、厳選した旅行情報を集めたカスタムサイトを構築できます。その情報は、ソーシャルメディアなどのさまざまなチャネルで簡単に共有できます。たとえば、プロサッカー選手、フィルジル ファン ダイクのトラベルショップでは、ファン ダイク選手がリバプールでよく利用するホテルや、いつか泊まってみたい憧れのホテルなど、おすすめのホテルを紹介しています。

 

トラベルショップを利用すると、ブランドのソーシャルメディアを使った情報発信を予約につなげることができます。作成したショップはブランドのウェブサイトやアプリに表示されるため、ショップで行われた予約から直接収益を得ることができます。



スポーツ観戦を目的とする旅行が生み出す精神的な結びつき


スポーツ観戦を目的とする旅行は単なるイベントではなく、大切な絆を深める機会になることがよくあります。多くの回答者が、スポーツイベントを目的とする直近の旅行を友人 (35%)、パートナー (34%)、家族 (33%) と一緒に行っていることからも、このような旅行が社会的な性質を持つことがわかります。アメリカでは家族と一緒に旅行をする人が最も多く、その割合は 44% に上っています。



さらに旅行者は、スポーツ観戦以外にも充実した時間を過ごし、有意義な体験をすることを優先しています。スポーツイベント自体も重要ですが、旅行者はこのような旅行をきっかけに、友人や家族とのつながりを築き、目的地を体験したいと考えています。



回答者のうち、アメリカの旅行者は家族と過ごす時間を優先する傾向が強く (58%)、日本の旅行者は特定のアスリートを見ることへの関心が高く (46%)、メキシコの旅行者は目的地での体験を優先しています (60%)。

 

このような人間的な要素は、スポーツなどの地域イベントが精神的健康にプラスの影響を与えるという旅行の心理学的効果とつながっています。この理論を検証したイギリスの科学者たちは、スポーツを現地で観戦すると実際に幸福感が高まり、孤独感が軽減されるという結論に至っています。

 

このようなつながりには強い力があります。親が子供を連れて試合を観戦したり、チーム内の連携が世代を超えて受け継がれたりすることからも、スポーツツーリズムが長く続く精神的な結びつきを育むことがわかります。


人気のスポーツイベント


スポーツ観戦を目的とする直近の旅行について尋ねたところ、サッカーの試合を観戦した人が最も多かった国はイギリス (64%)、ドイツ (54%)、メキシコ (53%) でした。直近の旅行でサッカー以外のスポーツの人気が最も高かった国はアメリカ、カナダ、日本で、アメリカではアメリカンフットボールの人気が最も高く (24%)、カナダではアイスホッケー (37%)、日本では野球 (26%) でした。

回答者の 71% が、男性選手が参加するスポーツイベントのために旅行したと答えていますが、若い世代では、女性選手や複数のジェンダーの選手が参加するスポーツイベントのために旅行する人が増加しています。16 ~ 34 歳の旅行者のほぼ 4 分の 1 が複数のジェンダーの選手が参加するスポーツイベントを観戦しており (全体の平均は 20%)、12% が女性選手が参加するスポーツイベントを観戦しています (全体の平均は 9%)。



開催地以外を訪れる人々


スポーツイベントの開催都市以外を訪れる旅行者の増加は、Unpack '25 レポートで指摘された「第二の旅先」という傾向を裏付けています。イベントの開催都市のみに滞在した旅行者が半数を超えている一方で、他の都市へと足を延ばした旅行者も半数近くに上っています。3 分の 1 近くがより有名な近隣の都市に宿泊している一方で、スポーツイベントの開催地から 1 時間以上離れた目的地に宿泊した人と、開催地に近い、あまり有名でない目的地に宿泊した人もそれぞれ 20% に上っています。


81%

宿泊施設を予約した回答者のうち、宿泊した都市以外の目的地を訪れた人の割合。³

60%

宿泊施設を予約した回答者のうち、旅行中のある時点でイベントの開催地以外の都市に宿泊した人の割合。⁴


旅行者は、宿泊地以外の都市も訪れています。宿泊施設を予約した旅行者のうち、宿泊地以外の目的地を訪れた人は 81% に上ります。近隣エリアを訪れた人は 45%、国内を旅行した人は 30%、さらに別の国を訪れた人は 21% です。

 

つまり、イベントの開催地以外にも需要を獲得するチャンスがあるのです。特に若い旅行者は他の都市を旅行する傾向が強く、16 ~ 34 歳の旅行者の 88% がイベントの開催地以外の目的地を訪れています。この結果から、スポーツ観戦を目的とする旅行中に新たな旅行先を発見したいと考える旅行者が増えていることがわかります。


スポーツイベントがもたらす波及効果


スポーツツーリズムは複数の目的地に旅行者を呼び込むだけでなく、アクティビティを通じて旅行者がその目的地の魅力を満喫する機会を生み出します。


スポーツイベントを目的として旅行する人の半数以上が旅行中に食事や買い物を楽しんでいますが、人気のアクティビティは地域や年齢によって異なります。日本の旅行者は観光スポットを訪れる傾向が強く (60%)、ドイツの旅行者には歴史 / 文化に関するアクティビティを好む傾向が見られます (33%)。若い世代 (25 ~ 34 歳のグループ) には、リラクセーション / ウェルネスに関連するアクティビティ (42%)、冒険 / アウトドアに関連するアクティビティ (35%)、歴史 / 文化に関連するアクティビティ (32%) が人気があります。



経済的効果の創出


スポーツ観戦を目的とする旅行には目的地間を移動するためのフライト、宿泊、アクティビティが含まれるため、大きな経済的効果をもたらします。直近の旅行について尋ねたところ、さまざまな旅行アイテムに対する支出額の合計は平均で $1,500 USD⁵を超えており、旅行者がスポーツイベント以外のアクティビティのために追加の資金を用意していることもわかりました。



Expedia Group を利用する旅行者の場合、平均支出額はさらに高くなると予想されます。旅行者の価値観を知るの調査結果によると、Expedia Group を利用する旅行者は、他の旅行者と比べて旅行全体の支出額が 10%、スポーツツーリズム市場での支出額が 17% 高くなる傾向があり、リーチするべき優良旅行者層であると言えます。

 

スポーツ観戦を目的とする旅行での旅行者の支出額は、スポーツツーリズムが大きな経済的影響力を持ち、サービス業から小売業まで幅広い業界に利益をもたらすことを裏付けています。スポーツツーリズム市場の成長が見込まれる今、地元企業が追い風を受けるだけでなく、旅行サービス提供会社にも、ニーズに応じた体験を提供することでシェア拡大を実現できるチャンスが訪れています。


未来を見据えた取り組み


84%

今後 12 か月以内にスポーツイベントの観戦を予定している回答者の割合。そのうち 58% がスポーツ観戦を目的とする旅行を 2 回以上行う予定。


これは、今後 12 か月以内にスポーツイベントの観戦を予定している回答者の割合を示しています。これらの旅行者の支出予定額は平均で $1,200 USD を超えています。⁵

 

旅行者は、来年のスポーツ観戦を目的とする旅行のために予算を確保しています。このような先を見越した行動はスポーツツーリズムの人気の高まりを示すものであり、旅行サービス提供会社に絶好の機会を提供します。旅行サービス提供会社には、このような計画を早期に把握することが求められます。それによって効果的な広告を打ち出し、ニーズに合った体験を提供して、顧客ロイヤルティを確保し、この収益性の高い市場でより大きなシェアを獲得することができます。



大勝利を収めるには


スポーツに関連して生じる繁忙期は、パートナー企業に需要の増加による収益拡大の機会を提供します。一方で、価格戦略を適切に計画し、実行しなければ、稼働率の低下やキャンセル率の上昇を招く可能性もあります。



Expedia Group のサービスと一連の広告ソリューションを活用して、高まる需要に対応


  • 会員限定プロモーション : イベントの開催日前後に会員特別価格を設定して、施設の競争力を高めましょう。

  • 掲載順位向上ツール : イベントの開催日前後の特定の期間に、施設の露出度を高めましょう。

  • TravelAds のリスティング広告 : 広告コピーや写真をカスタマイズし、特定の地域や日付にターゲットを絞って、検索結果の掲載順位を高めましょう。

  • フライトのリスティング広告 : イベント開催地への具体的なルートをアピールしましょう。

  • 共同キャンペーン : 他の広告主と連携して、目的地やテーマに特化したキャンペーンにより多くの費用を投入し、ショッピングサイトのランディングページに広告を掲載しましょう。

まとめ : スポーツ観戦を目的とする旅行による収益増加ポテンシャルを活用しましょう


スポーツツーリズムによる旅行需要の急速な再形成は、旅行サービス提供会社やパートナー企業に、成長市場を開拓するまたとない機会を提供しています。これらの企業はターゲットを絞ったソリューションを活用し、スポーツ観戦を目的とする旅行者の進化するニーズに合わせた体験を作り出しています。




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¹紹介するデータはすべて、Expedia Group によるスポーツツーリズムに関する調査 (2025 年) から引用

²「海外旅行」に該当するすべての回答の合計

³「スポーツイベントの開催地に近い、より有名な目的地 / 都市を訪れた」、「スポーツイベントの開催地から 1 時間以上離れた目的地 / 都市への日帰り旅行を 1 回 / 2 回以上行った」、「スポーツイベントの開催地に近い、あまり有名でない目的地 / 都市を訪れた」、「その他 (具体的に記入)」の合計。

⁴「スポーツイベントの開催地のみを訪れた」と反対の回答

⁵平均額は、自由回答による回答、「わからない」、「覚えていない」を除いて計算。チケット代、航空運賃、宿泊費、その他の費用の合計を平均した額。

この調査は、イギリス、アメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、オーストラリア、日本、メキシコで、直近 12 か月間にスポーツイベントを目的として旅行した 2,000 人の回答者を対象として、Censuswide が実施したものです。データは 2025 年 2 月 4 日から 2 月 7 日の期間に収集されています。Censuswide は、Market Research Society (市場調査協会) の指示に従い、Market Research Society の会員を雇用し、Market Research Society の行動規範と ESOMAR が規定する原則に従っています。Censuswide は、英国世論調査協議会 (BPC) にも加盟しています。